しのぶさま

この往復書簡の企画を思いついてから、はや1ヶ月半が経ってしまいました。お誘いしておきながら、こんなに長い間なしのつぶてでごめんなさい。主観的には、あれからまだ2週間くらいしか経っていないような気がするのですが、いや~、赤ちゃんがいると時間が矢のように過ぎ去っていきますね。

初めての育児ライフはいかがですか?出産から2ヶ月が過ぎて、追い立てられるような日々の中にも少しずつリズムが出てきた頃ではないでしょうか。うちはちょうどそのくらいの時に、夫婦ともどもストレスが極限に達し、思いきって箱根に温泉旅行に出かけたことが思い出されます。

しのぶさんとネット上で知り合ったのは、去年の11月、私が妊娠7ヶ月、しのぶさんが6ヶ月の頃でしたよね。同世代、同じ趣味(もちろん登山)、同じ行政地区の母子手帳、共通の友達と、驚かされることばかりでした。最初のママ友になるかと思っていたら、私が引っ越すことになってしまっていまだにお会いできていませんが、偶然にも大学院時代の同期生がしのぶさんの家のすぐ近くにお嫁に行ったこともあり、これからそちら方面に出かける機会が増えそうです。しのぶさん&遙ちゃんに早くお会いしたいなあ。

ところで、以前いただいた出産報告のメールに、「いやー凄まじい経験をさせていただきました」と書いてありましたが、本当に出産って一世一代の大仕事ですよね。病院でときどき聞こえてくる陣痛のピーク時の叫び声が、例にもれず、「痛い!痛い!痛いーっ!!」だったことが印象に残っています。知ってしまったからには、世の中すべてのお母さんをリスペクトの眼差しで見てしまいますね。

私も最初のお知らせメールに、思わず「ヒマラヤ登山など目じゃないなと痛感」と書いてしまったのですが、それは本当に本音です。陣痛や分娩後のおしもの痛みもさることながら、体力を使い切ったあともずーっと睡眠不足が続くというのはこたえますねー。ヒマラヤ登山ならどんなに体力を消耗しても、山を下りたあとしばらくゆっくりすればちゃんと回復しますものね。

チベットのチョーオユー峰で知り合ったナオコさんも、「これ(出産)ばかりは、十人十色、人それぞれ。苦しさも、本当のところも、本人しかわからないというところは、高所順応と同じかも。ちなみに私にとっての出産は無酸素8000Mとは比較にならないほど過酷な体験でした。」と私のサイトの掲示板に書いてくれたことがあります。いったいどんなお産だったんだろう?一度、彼女にも話を聞いてみたいですね。

でも、どんなにつらくても苦しくても報われるのがお産&育児というのも事実ですよね。今も夜3時間おきの授乳のため、替えた紙オムツを間違えて洗濯機に放り込んでしまうほどヘロヘロの私ですが、ふと我に返ったときに、このヘロヘロ自体が幸せの証しなんだよな~と思えます。これまでの人生で、「幸せだなー」と言葉に出してしみじみつぶやくなんてことはなかったですもん。

ところで、しのぶさんは最後の山登りっていつになりますか?たしか、妊娠6ヶ月の時に北海道の大雪山に登るかも…っておっしゃっていたと思いますが、どうなりましたか?私は結局、妊娠7ヶ月の時に登った丹沢の弘法山が最後になってしまいました。私が主宰している山登りのサークル「からっぽクラブ」の山行だったのですが、初心者向けのハイキングにもかかわらず、息が切れて切れて仕方がありませんでした。妊娠9ヶ月まで登ってらしたというM先生の奥様が信じられません。

私が妊娠してから登った山は、1ヶ月の時の雲取山、美ヶ原、霧島連峰、3ヶ月の時の加入道山、霧ヶ峰、利尻山、5ヶ月の時の明星ガ岳、日和田山、そして弘法山でした。利尻山まではガンガン登っていたのですが、その1ヶ月後に不正出血があったこともあり、以降運動には消極的になってしまいました。明星ガ岳の頃には、もう息切れが激しくて同行者に心配をかけていたので、私の場合6ヶ月が限度だったようです。しのぶさんも、妊娠してからも登山を続けられていたようですが、いつぐらいから支障を感じ始めましたか?

それにしても、世の中で出産をきっかけに山と疎遠になってしまった人ってどのくらいいるんでしょうね?確かに育児は大変だけど、育つまで待ってなんていられませんよね。しのぶさんは、どんな復帰プランを練っていらっしゃいますか?会社員時代の友人が、お座りが出来るようになってから背負子で山に連れていったよと言っていたので、私もそのくらいには子連れキャンプないし子連れトレッキングから始められたらいいなあと思っています。

その前に私自身の山登り復帰プランですが、じゃーん、実は来週の日曜日に思いきって「からっぽクラブ」の活動を再開することにしました。というのも、私が産休(!?)の間にたくさんの方が入会を希望してくださり、なんとかこのあたりで顔合わせを実現したいなあと思ったからです。

幸い、そーすけは粉ミルクを嫌がらないし、だんなも母乳を出す以外何でも出来るので、あとは私のおっぱいの問題だけ。初心者の方が多いのもあって短めのハイキングにしましたが、おっぱいの圧抜きだけでクリアできるかちょっと心配です。でも、恐がっていたらいつまでたっても復帰出来なさそうなので、いざとなったらこっそりティッシュに絞ればいいや、とあまり深く考えないことにしています。

しのぶさんは私より1ヶ月以上あとの出産だし、まだとても無理かもしれませんが、もしよろしければご一緒にいかがですか?丹沢なので近いし、頂上近くまで車道が通っている山なので、車で来るという手もありますよ。それが無理でも、何かしら企画を立てて、赤ちゃんともどもお会いしたいですね~。山に限らず、紫陽花のお花見なんていうのもよいですね!

まだまだ大変な頃だと思いますので、お返事はくれぐれも余裕のある時にいただけたらと思います。お互いに無理のないペースで、育児をしながら山へ復帰するまでの試行錯誤を報告し合って、励みにしていきましょう!


 
マッキンリーの頂上から  マッキンリーの頂上で同行者を待つ