マーケットを開いている広場に、たまにやってくるおばあちゃんがいます
いつも自分用の折りたたみイス持参で
あとはスーツケース
どこかにおうちがあるのかないのか
常にこのフル装備でやってきます
帽子とスカーフで顔をぐるぐるに覆っているので、どんな顔してるのかもわかりません
一度腰を落ち着けるとそのまま何時間も動かないので、たまにマーケットにやってくるお客様に
あのおばあちゃん死んでない?
物騒なこと聞かれたドキドキしちゃう
家族はいないのか
お友達は?
こんなごちゃごちゃした移民街の隅っこでホームレスのような生活をしているこのおばあちゃんにも
赤ちゃんの頃があり
若いお姉ちゃんだった頃があり
もしかしてダンナさんがいたり
ママだったり
そんな時代があったかもしれません
そう思うと、少しだけ胸がキュッとなる
