くればのブログ -5ページ目

くればのブログ

上越市を中心に活動する SingerSongWriter 中村賢一

2.弥彦の守り神と出会う の巻

 

 

今の長野県の山を超えて新潟県に入ったところで
視界を失った

目前の景色は白一色だ。
木もひとが作った建物も全て雪の中に埋もれて
右も左も後ろも、全て白い
しかも
向かえば向かうほど、雪は深くなり
積雪はついにはおれの身長も超えるほどになった。
もう歩けなくなった頃、
思い出した
『クシナダちゃん、まだ櫛のままだ!』
おれは慌てて元の姿に戻した。
元の姿に戻った瞬間、
『おいい~~』と言いながらクシナダちゃんは
ズブズブと雪の中に埋まってしまった(汗)
そりゃそうだよ、身長130cm しかないのだからね。
かがみながら慌てて必死で掘り出し、救出した直後、
脳天に脳が揺らぐほどの強烈な衝撃があった。
思いっきり左頬をクシナダちゃんに蹴られたのだ!
一瞬、意識が飛びそうになった
((おいおい、ヤマタノオロチより強力な蹴りじゃねえ
(蹴られてないけど)・・心の言葉・・))

『どこで元に戻してくれているんだよ!!』
『そして、なんだよーもう 劇的に寒いじゃねーかー!!』
と、
クシナダ節を耳にしながらおれは後ろにぶっ飛んでいた。
ぶっ飛んで、今まで歩きながら避けた雪の上に
背中から落ちた。
そこには
柔らかく、そして暖かいものが
背中の下にあることに気づいた。
『ブッギ~』と、背中の下で声が聞こえた。
慌てて何があるのか?確認しようと起き上がったところに
そいつが飛び上がって鼻をかじってきたのだ!
強烈に痛い~
頬は蹴られるし、鼻はかじられるし・・
災難続きである。
とりあえずおれの鼻をかじってきたやつを剝がそうと
やつの柔らかいボディーを両手で握り、引っ張ったが、
想像以上に力強くて剥がせない。
冷静になって目前にいるやつをよく見たら
まん丸の目玉が二つ、
こっちを見ていた。
『え、うさぎ??』
と気づき、息を思いっきり吸い込み、『はーっ』と
吐き出すついでに力を込めてうさぎ?を握っている手に力をこめると
すぽっとそれは外れた。
『げー~おっさん、息くせーよ~』
と、そいつは言った。
ん、しゃべった!!!
なんだよ~お前も普通じゃねえじゃねえかよ・・
そう思っていたら
『ぼくは弥彦神社から逃げてきたんだ』
と、話してきた。
鼻からの出血を手で拭いながら
『噛むなよ~もう・・』
と話しをしていると、
横で腹を抱えて大声で笑っているクシナダちゃんがいた。

 

3巻 クシナダ VS 大蛇 の巻 へ続く