横山 秀夫の「出口のない海」を読んで。

タイトルに魅かれて購入しました。

人間魚雷回転に乗り込んだ若者の物語です。

神風特攻隊は良く見聞きして知っていましたが、回転はこの作品を読むまで知りませんでした。

死ぬ為に、生きている特攻隊員の心の葛藤や悩みを作品は丁寧に描かいています。

お国の為という大儀から死に追いやる社会の風潮はどれほど残酷なものだったでしょう。

生きる事への執着心は誰しも有ると思います。

しかし、執着心を乗り越える過程は、ひとそれぞれに違います。

家族を守る為、友人を守る為に出撃した人もいれば、特攻隊員の並木は、回転の記憶を残す為に自身を見出す為に出撃しました。

涙なくして読めません。

年のせいだけではないと思います。

近頃、北朝鮮が核兵器を造った、弾道ミサイルが成功したなどの怖い話が多いです。

決して戦争になって欲しくない。

と強く願った作品でした。