今日は何の日だったろう?

思い出した。

小学5年から高校までの7年間

ずっと一緒だった親友の誕生日だ。

彼は小学5年の秋頃転校して来た

ワタシのいた学区は

地方都市のベッドタウンで

当時新しい住宅団地が増えていた

転校生も比較的多かった

ワタシは責任感は強い方だ

学級委員をしていたのもあって

転校生がみんなに馴染むよう

常々気を配っていた

彼とは家が近かった

当時同じ学区内で

ワタシも引っ越しをしたのだが

彼の家まで歩いて1分とかからない

彼は背が小さかった

だが、スペックは高かった

スポーツ万能だった

その頃卓球が流行っていた

彼にはなかなか勝てない

勝つには

反則技を繰り出すしかなかった

当時から深夜放送を聴いていたワタシは

オールナイトニッポンの

ミッドナイトストーリーを喋り

彼を骨抜きにしてから

スマッシュを決めた

それもそうそう通じるものではない

ある日、テレビで

話題の映画、エマニエル夫人の

熱いシーンが映されていた。

おおよそのストーリーはこうだ。


エマニエルは、
幸せだが平穏すぎる日常に
どこか退屈さを感じていた。
ある日、知人の紹介で
性の儀式 を受け入れる。
おとなしかった彼女は、
次第に内に秘めた欲望を開花させ
性の開放とその真理を追求するため
大胆な女性へと変貌していくのだ。


これだ!と思った。

次の日早速試してみた。

形勢不利だったワタシのスマッシュが

気持ちいいくらいバンバン決まった。

そのことは完全に忘れていたのだが

ある時ワタシは彼からリベンジを

受けることになる

結婚式の披露宴での親友のスピーチ

彼からの祝福の言葉を

新婦と目配せしながら

シルバーグレーのタキシードで

すましていたワタシに

ワタシがいかに

子供の頃からエッチで

見かけ倒しで

サイテーな男であることを

おもしろおかしく完璧な構成で

喋ったのだ。

それはないだろ!と思ったが

場内は大ウケ

ワタシのイメージは

見事に変えられてしまった

ワタシは

彼のことを見くびっていた

社会の洗礼を受け

彼は立派なスピーカーに

変貌していたのである

場内は笑いの渦に包まれ

完全にワタシは面白がられていた

その日彼は会場で一番の人気者だった

彼とのエピソードはまだまだある