こんにちは、Cleraです。

 

本日は、サッカー選手の本田圭佑選手の復帰戦とのことで試合を見てました。グランパス時代からの大ファンです。

試合は、負けてしまって残念でしたが、後半途中からの出場ながらも、サイドで多く攻撃の起点を作ってたと素人ながら思います。さて、今回の本題は、その本田選手の試合前日の記者会見で、「fact」と言いたかったのが、「fucked」と聞き取られてしまうことが起きました。以下が記者会見の一部になります。

 

『会見内容』

 

以下記者会見のフレーズを書き出してみます。

本田: I have to take care of myself.

       (自己管理をしなければいけない。)

       It's bad, but it's real.

       (残念だが、それが現実だ。)

       It's "fucked". And..

      (まじ、クソだ。そして..)

監督: "Fact". Fact issue.

        (Factだ。現実問題のことだ。)

本田: "Fact", Sorry. My pronunciation is maybe bad.

       (Factです。すみません、私の発音が多分悪かった。)

監督: No, no no. All understood you. They were....

        (いやいやいや、みんな理解してたよ。彼らは....)

 

『ポイント』

本田選手は、「Fact」(事実)と言いたかったが、発音の問題で、記者の方には、放送禁止用語でもある「fucked」と聞こえてしまった。

 

『英語の発音について』

おそらく、日本でずっと生活してて、海外に留学もしくは就職した場合、まずぶち当たる壁は、発音の問題です。中学校、高校で何をしてきたんだと思うくらい簡単な表現でも通じないことが多く、また、自分の英語の発音が日本語のカタカナのような発音だと実感する方もいると思います。日本語を発するとき、口の形はあまり意識しないですし、調音点(口の中で音を出す位置)もあまり意識しないです。日本語は比較的省エネな言語と言えるでしょう。

 

しかしながら、英語は違います。子音や母音によって口の形は異なり、日本人からしたら、すごくオーバーに動いて見えるかもしれません。また、英語の母音は、その母音によって、調音点が異なるので、それを意識して発する必要があります。実際に、ハワイやシンガポールの教育現場では、フォニックスという発音練習法を小さい頃に何度も練習することで、自然と無意識に発声できるようになっていきます。

 

『英語の母音について』

日本語の母音は、「あ」「い」「う」「え」「お」の5つですが、英語の場合は、Oxford dictionaryによると、計23個あります。今回の本田選手の例で考えると、「Fact」は「fˈækt」という発音に。「fucked」は、「fʌkt」という発音になります。赤字の部分が英語の母音です。これは、日本人に多く、実際私もそうでしたが、英語を学習するときに単語の上にカタカナをふってました。「Fact」であれば、上に「ファクト」と書いてました。これが良くなかったと思いますし、このようにカタカナに置き換えて覚えてしまうと、英語ではなくカタカナのような発音になってしまいます。日本語は「音の高低」が重要だと言われてますが、英語は「音の強弱」がポイントになります。それにもかかわらず、カタカナをふって、その単語を覚えてしまうと、実際の会話の際に、なかなかネイティブに理解してもらえないことは多くあります。

 

『必要になってくる発音矯正』

私がハワイに留学したとき、文法の本を解く時間とフリーディスカッションの時間が半分半分くらいでありました。文法の本を解く方は、まあまあできたのですが、フリーディスカッションのときに自分が話す発音があまりにもカタカナで、音の強弱もなく、悲しくなったのを今でも忘れずに覚えています。イメージ的には、英語の文章の上にカタカナを全部書いて、それを読んでいるような感じでした。

 

そして、あまりにも、自分の発音が嫌になって始めたのが、「発音矯正」です。まずは、今まで読めなかった発音記号を読めるようになるために、発音記号の勉強を始めました。計23個の母音に加えて、子音の読み方も勉強しました。

 

そして、発音記号を読めるようになったら、そこからはフォニックスです。フォニックスは発音練習を目的とします。そこで、日本語のような発音から脱するために、特に母音「23個」をIPAの国際母音の表を参考にしながら練習しました。(東京外国語学校のページに出てたので、こちらを参照下さい。)

 

 

あまり、難しい話は嫌いですが、それでも大切かつ必要なことなので解説します。

まず、今回は、推測ではありますが、本田選手は、「fact」と「fuck」を同じ「ファッ」の感じで覚えていたかもしれません。重ねて言いますが、あくまで推測です。

 

しかし、上の表を見ると、「fact」の「æ」の母音は「前舌」そして、「半広」と「広」の間にあります。

そして、「fuck」の「ʌ」の母音は「後舌」そして、「半広」の位置にあります。

 

簡単にいうと、「æ」の母音の調音点は、口の前の方で出す音で、なおかつ、「æ」は、「a」の次に下にあるので、口の前方で、真ん中より少し下の位置で出す音になります。「ア」と「エ」が混ざったような音ですが、二重母音のようにならないようにすることもポイントです。

 

「i, e, ɛ, æ, a」は前舌母音と呼ばれ、全て口の前の方で発音します。口の形は、日本語の「い」を発音する時と同じ形。「i」から「a」にいくにつれて、顎がだんだんと開いていきます。

 

これに対して、「ʌ」の母音の調音点は、口の奥で出す音で、「ʌ」は「α」の次に下にあるので、口の奥で、真ん中より少し下の位置(実際は、口の奥の真ん中で良いと思います)で出す音になります。短く、喉の奥で「アッ」と言う感じです。

 

ʌ」の母音の口の形は、力を抜いて、だらしなく開いてる感じ。

 

これを意識した上で、それぞれの発音を聞いてみると、日本語では同じカタカナの「ファ」でも、「fǽ」と「fʌ́」全然違うことが分かると思います。実際にGoo辞書サイトで2つの発音を比較してみます。単語をクリックすると、発音のページに飛ぶので、1度確認してみて下さい。

 

fact(fǽkt)

fuck(fʌ́k)

 

「fact」の「æ」は口の前の方で、「fuck」「ʌ」は口の後ろの方と、日本語では「ファクト」と「ファック」のようにカタカナで書くと同じ発音になりますが、実際は全然違う音になりますので、今回の本田選手の記者会見でも記者の方々は違和感を感じたんでと思います。

 

まとめ
 
英語の発音は、本当に難しいです。もし、海外のドラマや映画での実際のネイティブの会話の発音と、自分の発音を録音を比較してみて、カタカナっぽさを感じるのであれば、発音記号の読み方を覚え、その記号通りに発音していくとだんだんとネイティブのように発音できると思います。時間はかなりかかりますが、発音記号やフォニックスを、何回も何回も毎日継続的に練習していくことで、「子音の発音の時の舌や口の形」や「母音の発音の時の舌や口の形」をだんだんと、無意識にできるようになり、そうなると、「r」と「l」の発音の違いや今回のような「æ」と「ʌ」の発音の違いが明確に話せるようになります。そして、話せるようになると、相手の発音ひいては言ってることも理解できるようになるので、一石二鳥です。
 
私は、ハワイに留学してた時、最初ただ、ネイティブの言うことを真似して発音してました。結局、その場では、理解してもらえるのですが、後日他の人に使っても通じないことが多くありました。その時は、結局その単語のどの発音記号を意識するのかを知らず、ただそれっぽく話しているだけの見せかけの発音だったことが問題だったと思ってます。そこで、発音記号を意識し始めたのですが、意識してネイティブの発音を真似することで、より向上すると思います。
 
最後に余談ですが、グローバル化が進むこの時代において、本田選手のように間違えを恐れず、自分の英語を使って積極的に話す姿を本当かっこいいと思いますし、尊敬してます。皆さんも英語を話す機会があるのであれば、積極的に話し、間違え、そしてなぜ間違えたかを考えることで、どんどん向上していくと思います。
 
※今回は、記事作成のために「fuck」という表現をそのまま書きましたが、本来は、卑俗的な表現の言葉で、放送禁止用語にもなっている言葉です。あまり、この単語を言うことだけでなく、そのまま書くことも本来は望ましくありません。
 
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