INTERMISSION-Ⅵ 『金妖日』④





 「しは、死は誰よりも優しいんだよ。誰よりも、ね。」

 突然、美鈴はそう言った。

 「かあさまの話を、するの? 」

 見越したように。
 意外そうに、今ここでその話をするのかというように、真名火はそう言った。
 晩秋のテラスに、もう夕闇どころか宵闇が濃い。
 うすら寒そうに、白い息を吐きながら、真名火は美鈴を見た。

 「こんな、金魂ていどに聞かせるの? その話を。」

 「――姉様、たぶん、そのためにこの神様はぼくの傍にいます。」

 「……。」

 「ぼくは、母様のいいつけに従って、いつでも死ぬ気で、瞬間瞬間を生きています。それが様々な精霊を呼び寄せることになっても。」

 「……。」

 「――いつもみたいに、止めればいいのですよ。姉様。」

 「……止めない、わ。」

 何か観念した表情で、真名火はじっと美鈴を見た。
 それから、そっと金魂を見て。

 「――分かってると思うけれど、あなたは死ぬわよ? 」

 それに対して、五円玉そっくりな金魂はそっと、うれしそうに頷いただけだった。





INTERMISSION-Ⅵ 『金妖日』④   【⑤へ続く】
(INTERMISSION-Ⅶ 『木妖日』③は、構成上INTERMISSION-Ⅲ 『月妖日』の後になります。)