〇Live in Paris 1970,Vol1,2/Roland Kirk <過去20年(1989年時点)の足跡の9>
ローランド・カーク(1935~1977)は、米コロンバス出身の黒人で盲目のJAZZミュージシャン。サックス、トランペット、オーボエ、ピッコロ、イングシッシュホルン等のマルチプレーヤー。ある意味、本当のマルチプレーヤーで、氏名でweb検索すると全てこんな写真だ。
大道芸人でよくこんな人はいるが、一流のJAZZマンでは皆無(知らんけど)。いや、ロック界でも。まさにウィリー・メイズも裸足で逃げだす5ツールプレーヤーである。とうよう師レビューで曰く’天衣無縫のJAZZ職人、この人が例外として孤立していたJAZZ界の詰まらなさ・・・’。wikiによると、やはりJAZZ界よりもロック界に影響が大きかったようで、フランク・ザッパ、ジミ・ヘンドリクス、イアン・アンダーソン等、錚々たる変態音楽家からのリスペクトを集めていたようだ。
私はと言えば、名前と、その演奏姿は画像で知っていたが、音とまともに向きあったことがなかった。残念ながらこのアルバムの音源と特定できる映像はweb上になかったので、近い時期のライブをリンクする。
Rahsaan Roland Kirk "Seasons" in Montreux 1972 (youtube.com)
良い。冒頭のテーマ部でいきなりのフルートとリコーダーの2本吹き。リコーダの2本吹きなら私でも音だけなら出るが、フルートは全く息の吹き込み方が違うと思うのだが。。。しかし、この人のそういう面だけを面白がっていてはもったいない。その後に続くフルートソロが素晴らしい。リズムがブレークしてからの2:30からはなんとフルートとスキャットのセルフ二重奏!しかもハモらせている!なんという職人芸。
それはさて置き、この曲は何処ぞの民謡モチーフなのだろうか?浅学故に判らないので何方か知っていたら教えてください。じゃ、次の曲。彼の本業といえるサックスが聴けるやつで。
Rahsaan Roland Kirk - Say A Little Prayer (youtube.com)
カッコいい、メチャクチャカッコいい。こんな単にカッコいい演奏しているのに、なんでJAZZ界で孤立するのか?アホかJAZZ界。確かに、この曲でのバンドのノリはJAZZからはみ出す勢いではある。やっぱ、コアなJAZZファンって、座って俯いてチッチキ、チッチキと指で膝叩いてリズムとって、誰かが喋ろうものなら一斉に’シーッ!’ってやる感性なのか?バンドのノリはさて置いてもいいや。このサックスソロはコアなJAZZファンにとってどうなの?だめなの?門外漢の私はメチャメチャカッコいいとしか思えない。ジミヘンのパフォーマンスに匹敵する。エンディングもロック的にアガるなぁ。後、4:00くらいからの音と口の動きを見聞きしてほしい。まったく息継ぎしていない。循環呼吸による職人芸である。wikiによれば21分に渡る循環呼吸での演奏も録音されているようだ。
いや、私もこの歳になって古の素晴らしい音楽家を新たに発見してしまった。お恥ずかしい話です。
今日も蒸し暑い。北陸に近づくなよ、バカ低気圧がぁ!