(以下ネタバレ注意!)
「まるで新しいおもちゃのような身体だったわ」15歳の男子生徒との禁断の関係を、新任教師シバは友人の老教師バーバラに告白した。バーバラは、シバをスキャンダルから守るため、手を差し伸べる。しかし秘密を握ったバーバラの心には、いつしか黒い感情が渦巻きはじめ……。密かにシバを観察し、毎夜綴られるバーバラの日記。そこには友情を超えた、孤独な老嬢の支配欲と嫉妬がほの見えてくる。(以上文庫裏表紙から引用。)
読みすすめるにつれて、ホラー小説を読んでいるような、ぞくぞくする感覚を味わった。特に、あのラストシーンは、まさにホラー!
独身の中年女性の孤独は、想像する限りだが、とてつもなく深い闇を抱えているのではないか。その深い闇がバーバラを常軌を逸した支配欲へと駆り立てたのではないか。
独身の中年女性だけでなく、人間なら誰でも「他人を自分の支配下に置きたい」という欲望をもっているのだろうか。少しはもっているかもしれないけれども、孤独というものが、支配欲を助長させるのではないかと思う。
人間誰しも孤独を感じる時はあるが、「他人を支配したい」という欲望は、決して表面に出してはいけないものだと思う。対等な人間関係を築いていきたいものだと考えさせられた。
そして、女どうしの友情を超えたシバとバーバラの隠れ共依存関係(レズビアンすれすれの関係)もイギリス社会での女どうしの関係を理解する一助となった。
もし、まんがにするなら、よしながふみの雰囲気の小説だった。あるスキャンダルの覚え書き (ランダムハウス講談社文庫)/ゾーイ・ヘラー

¥907
Amazon.co.jp