歯科衛生士クレマチス
歯科からの逆襲
藤井佳朗(著)・・・医学博士
P.105~
入れ歯の重要さが理解されていない
入れ歯は食事のためにあるものだと思われています。
歯科医療従事者でさえそう思っているのですから、一般の人もおそらくそう思っているでしょう。
ですから、食べるときに入れ歯をはめて、寝るときにははずすという指導をしている歯科医師もいます。
夜はずすのは、飲み込み防止だけでなく、口の中の粘膜を安定させるという理由もありますから、それにも一里あります。
二章でも書いたように、歯にはもっと重要な役割があります。
もちろん入れ歯をはめて、噛んで食べるというのが理想です。
噛むことによって脳は刺激されるし、口周囲の血流はよくなるし、唾液はでるし、いいことはいっぱいあります。
ところが入れ歯というのは、つくってすぐに違和感なく使えるということはめったにありません。
とくに老人病院に入っている人は、ずっと歯がないままできた人が多いので、いきなり入れ歯をはめても使いこなせないのがふつうです。
健康な人は歯があることで全身のバランスをとっていますが、歯のない人はバランスが崩れていることが多いのです。
そのアンバランスを、入れ歯によって是正するのです。
「痴呆のお年寄りには、入れ歯はとくに重要です。まず、ご本人の自尊心を高めるために、次にまわりの人々がその人に敬意を払うために、第三に食事を楽しめるように」
(九四年七月二四日朝日新聞社説より)というデンマークの特別擁護老人ホームの所長の言葉は印象的です。
入れ歯は体だけでなく、心のバランスを取り戻すためにもたいせつなものなのです。
人間としての尊厳を、入れ歯によって取り戻すことができる。
私はこの言葉を、ぜひみなさんの心に刻んでもらいたいと思います。
かなり、割愛してあります(汗)
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私が働いている歯科医院の患者さんは、近所の高齢の方が中心
なので、入れ歯の方も多いのですが・・・
この本によると
「いまの歯科保健制度では、まじめに取り組む医師ほど儲からないしくみになっています。たとえば保険で入れ歯をつくるときに、よい入れ歯をつくろうとすればするほど赤字になります。」
・・・と書いてあります
日本の保険制度の問題点
どうにかならないものでしょうか?
ちなみに・・・
うちの院長、一生懸命【入れ歯】作ってますが・・・(汗)
つづく。