
彼女は太陽に向き合うように座って、
お化粧をします。
その日の気分の音楽を流しながら。
お化粧は毎日のことですので、
彼女のお気に入りの数十曲の曲は、
どれも少なくとも三度以上は耳にしております。
耳触りの良い爽やかな曲から、
握りしめた拳でリズムを取りたくなるような壮大な曲まで、
そのジャンルは多岐に渡りますが、
どれも良い曲ばかりで、
耳障りなものは一つもありません。
彼女のお気に入りのいくつかは、
僕のお気に入りにもなって、
僕のお気に入りだったものを聞く機会は減ってきたように思います。
またいつかふと聞きたくなるときが来るでしょうけれど。
kittyはどんな曲調の音楽であっても、
意に介さないようでございまして、
kittyの周りにだけは、
いつも平穏な空気が流れているように見えます。
彼女のお化粧中、
kittyは彼女の近くで睡魔と戦っていることがしばしばでございますが、
スローテンポの曲からアップテンポの曲に変わろうとも、
聞こえていないのかな
そう思わせるほどに平穏。
急に大きな音が鳴ったりすれば、
そちらに顔を向けたくなるものだと思いますが、
kittyはそうではないようです。
鳥の鳴き声は忙しなく顔で追うのに。
たまに通るトラックの音も気にならないようですね。
反応する音としない音、
どこに違いがあるのでしょうかね。
毎日聞いている音ばかりですので、
見て面白いものと、
そうでないものの区別をつけているのでしょうか。
それは調べてみるとして、
彼女がその日の気分を改めて確認するように音楽に身を委ね、
kittyはその側で同じ空間を共有することに幸せを感じるているような、
そんな彼女のお化粧時間は、
その両者をちらと眺めることができる、
お気に入りの時間の一つでございます。
音楽に入り込みすぎて、
お化粧する手を止めて
拳を突き上げている姿も、
kittyに触れずにはいられなくなって、
お化粧道具を放ったらかしにして、
kittyを撫でている姿も、
どれもお化粧時間の中に組み込まれておりまして、
なんとも見て楽しいお化粧時間でございます。