[6限目]京都戦の戦術に見る「自分たちのサッカー」 | レノファ塾(自習室)

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おひさしぶりです。

レノファの前に、まずは日本代表の話題から。


数々のジンクスを打ち破って、見事W杯出場を決めたハリルジャパン。

オーストラリア戦では、ハリルホジッチ監督の選手起用と戦術が話題となりました。

 

4-3-3システムのインサイドハーフに起用されたのは、ボール奪取能力の高い井手口と山口蛍。左右のウイングは縦の突破が期待できる乾と浅野という面々。

これまでなら香川や本田が君臨していたポジションですが、この日はパスをつなぐスタイルで成果を上げつつあるオーストラリアに対して、ウイークポイントを突くカウンター戦術に適した布陣で挑みました。

 

井手口と山口は高い位置からプレスをかけてボールを奪い、3バックの両サイドを使って攻め込む作戦。

乾は得意のドリブルで、浅野は持ち前のスピードを生かして侵入し、そこに両サイドバックが絡んでクロス→フィニッシュという狙い。

 

ある程度相手にボールを持たせつつ、ここぞという場面では「縦に速い攻撃」で一気に攻め込むスタイルは、相手のスタイルとこちらの戦力を見極めた上で組み立てられた現実的な戦術で、これが見事はまって歴史的な勝利となりました。


ザックジャパンの時代にはポゼッションを高めるパスサッカーを「自分たちのサッカー」として追及していたことから、一部には「ポゼッション放棄」などの批判的論調もあったけど、この戦術で見事に結果を残したことで、ハリル監督の「相手ありきのサッカー」が市民権を得ることになる転換点にもなりそうです。


 

さて、そこでレノファの京都サンガ戦です。

 

キックオフ直後から左サイドバック星を高い位置に上げてサンガの右サイドを狙うレノファ。

 

星の折り返しからラモスがコーナーをゲットして、前半3分渡辺のヘッドがさく裂!

立ち上がりに圧力を高めて攻める作戦が見事に実を結び、待望の先制点が生まれました。

 

そしてその後はサンガが攻めに出て、レノファが受け止める展開になりました。

 

今回レノファのフォーメーションは5-2-3。役割がはっきり分かれた3つの層の体系となっていました。

 

最前列の3人は、高い位置からのプレスとボールを奪ってからのカウンター攻撃。

中盤は2人。相手中央へのプレスと、奪ったボールを前線に送る役目。

後列は5バックでブロックを敷いて、高さのある相手2トップとサイド攻撃を抑えます。

 

通常であれば前線は1~2枚とし、守備時には中盤を厚くする陣形で相手の攻撃の組み立てを防いだり、攻撃時は中盤やサイドバックの選手が上がって攻撃参加するところですが、今回は前後のポジションを絡ませることをあまりしません。

後ろの守備では京都のロングボールからのヘディングにしっかりと対応しながら、ある程度攻めさせることで薄くなった相手のディフェンスラインを前線3人の力で攻め切るという、分業制のカウンター戦術が徹底されていました。

 

危ない場面も多々ありましたが、GK吉満のスーパーセーブ連発により何とか耐えしのぎ、前半アディショナルタイムにはラモスが奪ったボールを小塚が仕留めるという、狙い通りの追加点で試合を優位に進めました。

 

 

後半には1点返されましたが、最後にボールを繋いできた相手に対しては、選手交代も使いながら5-4-1の形で中盤の守備を厚くして逃げ切り、見事な勝利をつかみました!

 

 

かつての「何人もの選手が絡み合う、華麗なパスサッカー」スタイルのレノファとは全く違う戦い方ですが、現状のチーム戦力と相手チームの分析から最適解を見出した、カルロス監督の戦術的な勝利だったと思います。


さらに今回は、各選手がやるべきことをシンプルにすることで、うまく戦術をチームに落とし込むことができたのではないでしょうか。

最近の試合では、自分たちのミスから流れを失ってゲームを落とすことも多かったので、シンプルなプレーはミスを防止することにもつながったと思います。


シーズン途中で監督が変わり、チームをじっくり作り直す時間がないレノファにとって、今自分たちができる最善のサッカーの形が、この試合にはあったのだと感じました。


 

【この試合のトピックス①】

神がかりとも言えるスーパーセーブを連発したGK吉満。試合後のインタビューで「平井さんから『この試合が人生最後だと思って、死ぬ気でやれ』って言われて」と語っています。

サブGKがいなくてコーチが選手登録した今節。まさに「緊急事態」で、吉満にはプレッシャーや気負いがかかるのが普通でしょう。しかし平井コーチのこの言葉で、思い切りいく覚悟ができたのではないでしょうか。

吉満の殊勲の裏には、「サブGK」平井コーチのナイスな後押しがあったのだと思います。

 

【この試合のトピックス②】

最前線の一翼を担った岸田。今回も献身的な守備が光りましたが、いつもはキーパーやCBへのチェイシングが目立つところ、今回は引いた位置での守備の貢献が見られました。


アルゼンチンでは、「メディア・ルーナ」と呼ばれる三日月形の守備陣形が基本(子供でも知ってる)らしいのですが、もしかしたら岸田の後退守備はそのための指示だったのかも?(DAZNでは全体が見えないので、陣形はあくまで推測)

 

仮にそうだとすれば、アルゼンチンスタイルがレノファに徐々に浸透していることになり、今シーズンJ2を賑わせているスペイン人監督に続いて、新たなムーブメントを起こす可能性がありますね。

今回の3トップによる前線プレス+5バックの固いブロックといった戦術も、アルゼンチン人監督サンパオリによるセビージャの円環システム(中盤空洞化)に通じるものがあるし、カルロス監督が繰り出すグローバル戦術には今後も注目です!

 

【この試合のトピックス③】

小塚の1ゴール1アシストで勝利を決めたこの試合でしたが、他にも何度か惜しいシュートがあり、本人もインタビューで悔しがっていました。

コヅも人の子、あれだけ冷静な彼でも簡単に見えるシュートを決められないことがあるんですね。

小塚だけでなく、岸田や星にも決定機があり、もちろんすべてを決めることは不可能ですが、1本でも決まっていればもっとゲームを楽に進められたはずです。


最近のレノファは試合途中で流れを失って、1点差で試合を落とすことが多いので、少しでも決定力が上がれば、今後は勝利や引き分けが増えていくと思います。

今回の勝利で全員が自信をつけて、残りのシーズン良い調子に乗っていってほしいと願います。


次は首位(31節時点)の湘南戦。

手ごわい相手ですが、レノファの善戦を期待しましょう!