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メールのご質問の答え 第2回

メールのご質問の答え。第2回

●  御影石からの放射線

一般的に花崗岩(大理石、御影石など)は放射線を持っていた、白い御影石は少し強めで、色のついた御影石は放射線は弱いのが特徴です。御影石を洗面台などに使うと、そこで自然放射線を浴びます。普通はまったく気にしなくても良いのですが、原発事故があって被曝量が上がっているので、自然放射線で減らせるものは減らす必要があります.結果的には取り外す必要まではありませんが、洗面器のそばに長い時間いないようにした方が良いでしょう。

チェルノブイリで牛乳が原因で甲状腺ガンがでたように、牛乳や粉ミルクは危険です。でも、お困りになる場合は北海道や九州のものをとるしかないのが現状です。牛乳販売メーカーはベクレルを発表しませんし、粉ミルクメーカーは製造年月日を言いません。それは放射性物質が入っているから発表しないと考えた方が良いでしょう。

●  福島周辺に不動産や家を計画している方

福島周辺に不動産や家を購入しようとしている人はもちろん多いのですが、もうしばらく様子を見た方が良いと思います。今、不明なことは、政府が除染をするか、風でどのぐらい飛散するか、ロシアと違って日本では雨などが多く放射性物質が減少していかないか、ストロンチウムが無いのかなど、良い面と悪い面があります。だから、来年まで不動産や家の決定は遅らせた方が良いと思います。汚染された土地はさまざまな形で制約がかかりますから、できるだけ早く福島と近辺の人は除染をすることで、それには政府が本腰を入れることです。特にこのブログで示した早川先生の図を参考にしてください。

●  ホールボディーカウンター

体の放射線を測定する器械ですが、あまり信頼できません。というよりもともとひどく被曝した場合は別にして、体の外から被曝量を測定するのが無理だからです。厳しく言うと「被曝を小さく見せる方法」ともいえるものです。これは甲状腺ガンをのどに直接接しても精度の良い被曝量が出ないことを考えると理解できると思います。計算の方が正確にわかるでしょう。またヨウ素のように半減期の短いものはすでに被曝していても、まったく出ませんからこれも意味はありません。

アメリカにお住みの人からアメリカの医師が日本にいった人についてヨウ素剤を飲むように進めているというメールがありました。アメリカでは事故直後から日本にいった旅行客にヨウ素を配っています.チェルノブイリ事故の時にヨウ素を服用した子供には甲状腺ガンが出なかったのです、すでに現在は事故から5ヶ月を経ていますので、ヨウ素剤の効果はほとんど無いと考えられます。また、ご家庭でヨウ素剤を用意するのは、原発が再開されるところでは必要と考えられます。ポーランドのように自治体がヨウ素剤を各家庭に配るように市役所に強く要望するのが適当です。

●  海産物の放射線

海産物の放射線は、8月9日頃、フランスの測定データが発表されました。日本のものは隠蔽しているので基本的には信頼できません。それによると、福島、茨城、千葉の海産物は、アイナメ、メバル、昆布など2001000ベクレル程度のセシウムが検出されています。北海道、関西、九州はよくわからないのと、ストロンチウムが測定されていないので、不明なところが多いのですが、日本の測定値でもサバが100ベクレルを超えています。そこで、自衛策としては、「北海道、九州、関西、日本海」の魚と藻類に限って購入することをお勧めします。魚の種類は少しの大小がありますが、どれということなく汚染されています。

中部大学武田邦彦
(平成23年8月21日)

被曝による「軽い」症状(咳や鼻血)と医療の本質

被曝による「軽い」症状(咳や鼻血)と医療の本質

被曝によって生じる「軽い」症状として、咳、鼻血、疲れやすいなどが報告されています。お子さんにこのような症状がでると、お母さんはとても心配になるので、「軽い」と言えるかどうかはわかりません。

このような状態のときにお医者さんに行くと、「おそらく風邪でしょう」とか「夏の疲れがでたのだと思いますよ」と言われるでしょう。

ところがお母さんはお子さんの健康状態やこれまでの病気のことから、「風邪や疲れではない」と直感的に感じておられるので、お医者さんの言葉は解決にはならないのです。

まず、環境汚染に関する過去の類似した例を振り返ります。

新築の家に住んだ人の中でひどい症状がでたときに、お医者さんに行ってもまったく取り合ってもらえず、住宅メーカーも「神経質な人だな。クレーマーだ」というぐらいの対応でした。

ところが研究を進めてみると、「ハウスシック病」であり、今では原因が特定され、住宅メーカーは深く反省し、治療法もできてきました。

なぜ、お医者さんは冷たいのでしょうか? なぜ、住宅メーカーは冷ややかだったのでしょうか?

お医者さんや住宅メーカーの人ばかりではなく、「仕事」が忙しいこともあって「お客さんの気持ち」になることができないのです。当時、私は次のように言っていました。

「苦しんでいる人がいるのだから、親身になって原因を追及し、丁寧に治療したらよいのに。苦しんでいる人がいるという現実を見ないといけない」

でも、それは少数派で、ハウスシック病で苦しんだ人が戦ってやっとみんなが非を認めたのです。今、原発事故があっても、それは変わっていないのです。

お医者さんというのは、勝手に判断してはいけない職業です。たとえば、「この患者さんには安楽死が良い」と思っても、それはダメなのです。つまり、お医者さんは「医師会などで十分に研究し、その治療法を患者さんに適応して良いとなった治療」だけをするのです。

これは大切なことで、もし個人個人のお医者さんが勝手に治療法を開発したら、ある時に「ああ、風邪ですか。それなら左腕を切り取りましょう」などというお医者さんが出ないとも限らないのです。

全体の状態は理解できましたでしょうか? 広島やチェルノブイリの例しかない被曝については、わからないことが多いし、ガンや遺伝性疾患などの重大な病気が先なので、医学は進んでいません。

だから、まずはわからないと言うことを納得して、

1) 被曝を減らす、

2) 回復力をつけてあげる、

という前向きの工夫をすることです。原因がなにかなど追求していると、お子さんの状態は改善されないと思います。被曝は、それで病気になったら治療ができますが、「被曝を減らす薬」というのはないで、被曝を減らし、回復力をつけることしかないと考えて行動することでしょう。(音声あり)

「takeda_20110820no.89-(4:16).mp3」をダウンロード

中部大学武田邦彦
(平成23年8月19日)

偉い人がウソをつく手口電気代が高い理由

偉い人がウソをつく手口 電気代が高い理由

日本の電気代は、アメリカや韓国に比べて2倍以上にもなる。

電気を作るのは、石油、石炭、ウランなどを燃やすだけだし、エネルギー価格は国際的に統一されているから、2倍以上の違いが出るはずもない。

ところが現実的には日本の電気代は高い。その理由、

1) 国民がおとなしいから、

2) マスコミが電気代の比較を報道しないから、

3) 政治家、官僚、学者が丸抱えされているから、

4) 産業界も甘い汁を吸っているから、

である。そして、政治家、官僚、学者、産業界、マスコミに電力会社から配られているお金は、私たちが乏しい財布から払っている電気代というのが哀しい。

そこで、今回は日本の電気代の高い理由を簡単に説明しておきたい。

電気を作るには発電所がいる。そして作った電気を家庭やオフィスに送るには変電と送電が必要だ。

これらの装置を作り、それを維持するために、電力会社は重工会社、その下請け会社、保全会社に仕事を発注する。

普通なら他社との競争があるから、発注するときに「できるだけ安く」ということが第一になるが、電力の場合は競争がないから「安く買う」必要はない。

あとで説明するけれど、むしろ「高く買う」ように努力する。

電力が装置やその保全を高く買ってくれるので、重工、建設会社、保全をする会社はほくほく顔である。とにかく電力が自分の会社に発注してくれるように電力の幹部にゴマをすっておけば良い。

装置ばかりではない。

燃料になる石油、石炭、天然ガスなども良質のものを高く買えばよいので、これもみんなが協力してくれる。

電気を作るときにかかる装置代、保全代、燃料代、本社代などの合計を「コスト」という。普通なら「努力してギリギリのコストでやる」というのだが、電力の場合は、「世間的におかしくない範囲でできるだけ高いコストでやる」というのが優れた経営者となる。

それは次のような仕組みだからだ。

1) 電力会社の儲けは、「コスト」を出して、それに10%程度の利益をのせる。だから、コストが10円と20円なら、20円の方が1円だけ儲けが多くなる(電力会社のもうけ)、

2) 電力からとる税金は電気代に比例しているので、電気代が高ければそれだけ税金が増える(官僚のもうけ)、

3) 電力会社はコストを高くしなければならないから、業者は高く納入できる(関係会社のもうけ)、

4) 電力会社が儲かれば賃金も高くなる(労働組合のもうけ)、

5) 「電力会社のコストはどの程度が適切か」と言うことを決める{政府、議員、マスコミ、学者、評論家・・・}にたっぷりとお金を回しておく(関係者のもうけ)、

6) そして、これら1)から5)のために一方的に損をしている人たち(おとなしい庶民)は高い電気代を払う・・・・

なんと哀しい現実だろう。

電力会社が役人の天下りを支援し、政治家に献金し、公共広告機構の理事長(広告の一番多い会社)が東電で、東大の学者に研究費を出すのは、もちろん、ハッキリした目的があるからだ。

政治家は電力に手も足もでない。

活動資金のもとになる献金と選挙の時の票(電力労働組合、関係会社の人の票)があるからだ。

役人も手も足もでない。

天下り先を広く準備してくれるからだ。

かつて、これとほぼ同じことが日本の農業で起きた。米価の問題である。

自民党が農業の人の票で縛られ、米価をつり上げていったので、日本のお米の価格は国際価格の7倍にもなった。それでも「日本の米はおいしい、食料を守れ」という精神的な活動が支えになっていた。

でも、そんなことは長続きせず、農業は衰退していく。

電力もそうで、お金を配っているうちに国際的に対抗できなくなり、高い電気で企業はフーフー言い始め、工場は海外に逃げていった。

「質の良い電気を供給しているから」と当時のお米と同じ理由を全面に出している。偉い人のウソの手口というのは、複雑で一見して非常識なことで儲ける時のいいわけに優れているということでもある。

かつて、東西ドイツが統一したとき、自由経済の西ドイツのすばらしい車に対して、共産体制だった東ドイツのポンコツ車は25年遅れていると言われた。

競争のない社会で人間がいかに腐るか、その一つの例でもある。今回の福島原発も電力が競争にあれば、事故は起こらなかっただろう。

独占電力体制を守るために、いろいろな屁理屈が展開されるだろうが、東西ドイツの統一、日本の米価問題を教訓にすれば、どんな高邁な議論より競争だけで人間社会は正常になる。

中部大学武田邦彦
(平成23年8月18日 午後5時 執筆)