保険料に占める「運営経費」を試算してみた
やはり、大手生命保険会社の保険料に含まれる「運営経費」の割合は40%を超えることもある――。ある業界に所属している人たちが加入している「団体保険」のパンフレットを見て確信しました。「制度運営費として死亡保険金100万円あたり25円がかかります」という一文があったからです。つまり、保険金が1000万円であれば、(1000万円÷100万円)×25円で250円の制度運営費がかかることになります。
10月19日付のこのコラム「保険料の内訳、唯一の開示データから考える」で、保険料には保険金支払いに回す部分と、保険会社の運営経費として使われる部分があり、後者の割合を「付加保険料率」と呼ぶことを書きましたが、これが高いのか低いのかを考えるうえで貴重な情報が得られたことになります。
冒頭で触れた団体保険パンフレットから具体的な数字を引いて試算します(出所を明らかにしないため、ここでは数字を高めに変えています)。
表1は、30歳男性が45歳まで15年間、1000万円の死亡保障を持つケースです。
この団体保険の保険料は5歳刻みで設定され1400円から1800円、2300円と上昇し、15年間で支払う総額は33万円になります。月払い保険料にならすと、33万円÷(12カ月×15年)で約1833円です。経費率は1000万円当たり250円なので、250円÷1833円で約13.6%と計算できます。この経費率をもとに、5年ごとの保険料に占める経費の割合と一緒にまとめたのが
表2です。
ちなみに、保険業界で唯一、保険料の内訳を開示しているライフネット生命の「かぞくへ保険」で30歳男性が向こう10年間、1000万円の死亡保障を持つ場合、付加保険料率(経費率)は33%、40歳からの10年間では25%です。
この団体保険の契約は、複数の大手生保が共同で引き受けています。そこで、今度は大手生保の個人向け保険の価格を調べてみましょう(
表3)。日本生命のホームページにアクセスすると、30歳男性が45歳まで1000万円の死亡保険金を準備できる「定期保険」の保険料が2800円であることが確認できます。今回比較している保険は、持病があっても入れる保険や、加入者の健康状態を問わない保険ではないので、保険金支払いに必要な料金は個人向け保険でもそんなに変わらないはずです。
ということは、料金の差は主に運営経費の違いによるものと見なすことができるでしょう。団体保険の保険料から運営経費部分を引くと1833円-250円で1583円です。これが保険金支払いに要する料金だとすると、日本生命の「定期保険」の場合、2800円-1583円で、1217円ほどの運営経費が料金に含まれていると推察できます。率にすると実に43.5%です。
断っておきますが、日本生命のことをどうこう言いたいのではありません。単にホームページで1000万円の「定期保険」の保険料が他社より探しやすかったので、日本生命の数字を参考に示しただけです。保険料以外の数字は推計値にすぎません。それでも、事実に基づく数字ということで一考の価値はある気がします。
通常、団体向け保険と個人向け保険の保障内容が同じである場合、価格の差は「担当者によるサービスなどの違い」と説明されると思います。私は、オーダーとは別にテーブルチャージがレシートに明記される飲食店があるように、保険のパンフレットなどにも、例えば「サービス料が40%含まれています」といった表記がなされることを望みます。



10月19日付のこのコラム「保険料の内訳、唯一の開示データから考える」で、保険料には保険金支払いに回す部分と、保険会社の運営経費として使われる部分があり、後者の割合を「付加保険料率」と呼ぶことを書きましたが、これが高いのか低いのかを考えるうえで貴重な情報が得られたことになります。
冒頭で触れた団体保険パンフレットから具体的な数字を引いて試算します(出所を明らかにしないため、ここでは数字を高めに変えています)。
表1は、30歳男性が45歳まで15年間、1000万円の死亡保障を持つケースです。
この団体保険の保険料は5歳刻みで設定され1400円から1800円、2300円と上昇し、15年間で支払う総額は33万円になります。月払い保険料にならすと、33万円÷(12カ月×15年)で約1833円です。経費率は1000万円当たり250円なので、250円÷1833円で約13.6%と計算できます。この経費率をもとに、5年ごとの保険料に占める経費の割合と一緒にまとめたのが
表2です。
ちなみに、保険業界で唯一、保険料の内訳を開示しているライフネット生命の「かぞくへ保険」で30歳男性が向こう10年間、1000万円の死亡保障を持つ場合、付加保険料率(経費率)は33%、40歳からの10年間では25%です。
この団体保険の契約は、複数の大手生保が共同で引き受けています。そこで、今度は大手生保の個人向け保険の価格を調べてみましょう(
表3)。日本生命のホームページにアクセスすると、30歳男性が45歳まで1000万円の死亡保険金を準備できる「定期保険」の保険料が2800円であることが確認できます。今回比較している保険は、持病があっても入れる保険や、加入者の健康状態を問わない保険ではないので、保険金支払いに必要な料金は個人向け保険でもそんなに変わらないはずです。
ということは、料金の差は主に運営経費の違いによるものと見なすことができるでしょう。団体保険の保険料から運営経費部分を引くと1833円-250円で1583円です。これが保険金支払いに要する料金だとすると、日本生命の「定期保険」の場合、2800円-1583円で、1217円ほどの運営経費が料金に含まれていると推察できます。率にすると実に43.5%です。
断っておきますが、日本生命のことをどうこう言いたいのではありません。単にホームページで1000万円の「定期保険」の保険料が他社より探しやすかったので、日本生命の数字を参考に示しただけです。保険料以外の数字は推計値にすぎません。それでも、事実に基づく数字ということで一考の価値はある気がします。
通常、団体向け保険と個人向け保険の保障内容が同じである場合、価格の差は「担当者によるサービスなどの違い」と説明されると思います。私は、オーダーとは別にテーブルチャージがレシートに明記される飲食店があるように、保険のパンフレットなどにも、例えば「サービス料が40%含まれています」といった表記がなされることを望みます。


