保険料の内訳、唯一の開示データから考える
「『保険料の内訳』について消費者に考えてもらう機会にしたい」。ライフネット生命が10月に発売した新商品について調べながら思いました。同社は保険業界で唯一、保険料の内訳を開示している会社で、今回の新商品でも具体的な数字を確認できるからです。2011年9月16日付の「保険はなぜ手数料が開示されないのか」でも触れましたが、今回は実際のデータを参照しながら保険料の内訳について改めて問題提起してみたいと思います。
保険料は大まかに2つの部分から構成されています。保険金の支払いに回る部分とそれ以外、つまり保険会社の運営経費に使われる部分です。前者は「純保険料」、後者は「付加保険料」と呼ばれています。私が消費者に知ってほしいと思うのは、保険料に占める付加保険料の割合(付加保険料率)です。
同社のホームページ(http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2012/4379.html)から引用した表を見てみましょう。
同社が付加保険料率を開示したのは2008年11月でした。一般の消費者がこのような数字に接する機会は、ほとんどなかったのではないかと思います。はたしてどんな感想を持たれるのでしょうか。
私は、何より情報が増えるのは良いことだと感じています。1社の付加保険料率が明らかになっただけでも「各社の保険料に差がある理由」について納得がいくからです。例えば、向こう10年間の万が一に備える「定期保険」で若年層の保険料を比べると、大手生保とライフネット生命とでは2倍近い差が出るケースがあります。
保険会社によって加入者の死亡率に大きな差があるのはおかしいので、保険料の差は主に「運営経費の差」だと考えられます。ということは、該当商品におけるライフネット生命の付加保険料率が25%ならば、大手では50%前後でなければ計算が合いません。
このようなことが分かるのは、消費者にとってもありがたいはずです。「経費が安いほど助かる」と考える人もいれば、「毎日のようにテレビCMに接していることも『大手の安心感』につながっている気がする。相応の料金を払っても構わない」と感じる人もいるでしょう。保険は目に見えない商品なので、各自が「判断の根拠」を一つでも多く得られることが重要だと思うのです。
とはいえ、本稿をここまで読み進めるうちに「ちょっと待ってほしい。20%とか50%とか、何かの間違いではないか?」と感じる方もあるかもしれません。
一般に、生命保険は加入者がお金を出し合い、不幸があった家庭や病気にかかった人などを支える「相互扶助」の仕組みとされています。したがって、「それにしては経費がかかりすぎだろう」という指摘があっても、もっともなことだと思うのです。実際、ある自営業の方に「付加保険料率が40%台ともなると、ほとんど暴利では?」と言われた経験もあります。
私自身、「相互扶助」という言葉から思い出すのは、会社員時代に職場で「慶弔金」の集金が行われていたことです。その経験から、仮に大病にかかった同僚に50人の関係者が2000円ずつ出しあって10万円の「お見舞金」を渡すことにした場合、集金担当者が管理費などの名目で5万円を抜いてお見舞金が半分になっていたり、2万円抜かれたりしてたら……と想像したりします。
もちろん、保険会社の運営と、職場における互助会的な活動を同一視するつもりはありません。保険会社が健全に経営されなければお客様にも迷惑がかかりますから、それなりの経費は確保されていいはずです。
ただ、情報が開示されていないため、経費の割合について「それなりだろう」「許容範囲内だろうか?」などと論じる以前の状況であることが問題です。先の職場の例で考えれば、集金担当者が受け取る管理費の割合を同僚に知らせていないようなものでしょう。
改めて「商品別の付加保険料率」が全社で開示されることを望みます。
またライフネット生命は10月4日、付加保険料率だけでなく代理店手数料率の開示にも踏み切りました。次回はこの代理店手数料率について取り上げます。

保険料は大まかに2つの部分から構成されています。保険金の支払いに回る部分とそれ以外、つまり保険会社の運営経費に使われる部分です。前者は「純保険料」、後者は「付加保険料」と呼ばれています。私が消費者に知ってほしいと思うのは、保険料に占める付加保険料の割合(付加保険料率)です。
同社のホームページ(http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2012/4379.html)から引用した表を見てみましょう。
同社が付加保険料率を開示したのは2008年11月でした。一般の消費者がこのような数字に接する機会は、ほとんどなかったのではないかと思います。はたしてどんな感想を持たれるのでしょうか。
私は、何より情報が増えるのは良いことだと感じています。1社の付加保険料率が明らかになっただけでも「各社の保険料に差がある理由」について納得がいくからです。例えば、向こう10年間の万が一に備える「定期保険」で若年層の保険料を比べると、大手生保とライフネット生命とでは2倍近い差が出るケースがあります。
保険会社によって加入者の死亡率に大きな差があるのはおかしいので、保険料の差は主に「運営経費の差」だと考えられます。ということは、該当商品におけるライフネット生命の付加保険料率が25%ならば、大手では50%前後でなければ計算が合いません。
このようなことが分かるのは、消費者にとってもありがたいはずです。「経費が安いほど助かる」と考える人もいれば、「毎日のようにテレビCMに接していることも『大手の安心感』につながっている気がする。相応の料金を払っても構わない」と感じる人もいるでしょう。保険は目に見えない商品なので、各自が「判断の根拠」を一つでも多く得られることが重要だと思うのです。
とはいえ、本稿をここまで読み進めるうちに「ちょっと待ってほしい。20%とか50%とか、何かの間違いではないか?」と感じる方もあるかもしれません。
一般に、生命保険は加入者がお金を出し合い、不幸があった家庭や病気にかかった人などを支える「相互扶助」の仕組みとされています。したがって、「それにしては経費がかかりすぎだろう」という指摘があっても、もっともなことだと思うのです。実際、ある自営業の方に「付加保険料率が40%台ともなると、ほとんど暴利では?」と言われた経験もあります。
私自身、「相互扶助」という言葉から思い出すのは、会社員時代に職場で「慶弔金」の集金が行われていたことです。その経験から、仮に大病にかかった同僚に50人の関係者が2000円ずつ出しあって10万円の「お見舞金」を渡すことにした場合、集金担当者が管理費などの名目で5万円を抜いてお見舞金が半分になっていたり、2万円抜かれたりしてたら……と想像したりします。
もちろん、保険会社の運営と、職場における互助会的な活動を同一視するつもりはありません。保険会社が健全に経営されなければお客様にも迷惑がかかりますから、それなりの経費は確保されていいはずです。
ただ、情報が開示されていないため、経費の割合について「それなりだろう」「許容範囲内だろうか?」などと論じる以前の状況であることが問題です。先の職場の例で考えれば、集金担当者が受け取る管理費の割合を同僚に知らせていないようなものでしょう。
改めて「商品別の付加保険料率」が全社で開示されることを望みます。
またライフネット生命は10月4日、付加保険料率だけでなく代理店手数料率の開示にも踏み切りました。次回はこの代理店手数料率について取り上げます。
