五輪日本代表は保険に入れるか | あなたの保険大丈夫ですか?将来の年金支給額知ってますか?直ぐに計算出来ますよ

五輪日本代表は保険に入れるか

 「ロンドン・オリンピックの日本代表選手たちって、保険に入れるんでしょうか?」「種目によりますけど、おおむね大丈夫ですよ」。4年前も、一般の方から同じような質問を受けたことを思い出しながら、回答しました。

 生命保険の加入については、個々人の健康状態のほかに、職業などが問われます。年齢・性別・健康状態が同じでも、事務職と登山家では危険度が全く違うので、後者は「死亡保険」にも「医療保険」にも加入できなかったりします。

 保険の仕組みを維持する上での前提となる「契約者間の公平性」を保つためです。

 実際、スポーツ選手の場合でも、種目によって加入制限が設けられています(保険会社により制限内容は異なることがあります)。

 たとえばサッカー「なでしこジャパン」のメンバーたちには、死亡保障や病気による入院に関する制限はありません。そのほか、卓球、バレーボール、マラソン、砲丸投げ、フェンシング、アーチェリーなどの選手にも特段の制限はありません。

 ただし、これらの種目の選手たちの場合でも、「ケガを原因とする入院」等に対応している特約は付加できないことになっています。この点が一般の方とは異なります。

 柔道の選手になると、さらに話が違ってきます。死亡保険金額は1000万円が上限で、入院等の各種特約は付けられません。ボクシングの選手に至っては、死亡保険にも加入できません。

 「スポーツ選手にはケガがつきものだろうに、肝心な時に、保険会社は逃げるのか?」と感じる向きもあるかもしれません。しかし、ケガが日常的に発生しがちだからこそ、最初から保険の対象にならないのです。

 保険は、加入者から集めた保険料を、加入者の共有財産としてプールしておいて、何かあった人にまとまったお金を届ける仕組みですから、その何かが頻繁に起こる場合、上手く機能しなくなるからです。

 頻発する事態を見越して、あらかじめ保険料を高くしておくか、まとまらない保険金額で我慢してもらうか、ほどほどの料金でほどほどの保障を提供するか、いずれにしても、負担感が少ない料金で手厚い保障を約束することは出来ないのです。

 さて、仕事柄、こうした原則は理解しているつもりの私が気になったのは、企業に所属していて、事実上、広告塔的な役割を担っている選手が、練習中にケガをした場合などです。

 勤務時間中の事故として、いわゆる「労災」(労働者災害補償保険)が適用されるのでしょうか?

 ある保険会社の方に問い合わせたところ、一般論としては企業の運動部所属者の練習中や試合中の事故は労働災害扱いになるようです。したがって、治療費等の本人負担はゼロです。

 では、仮に、親が親類の保険営業担当者との付き合いなどから、子供時代の選手にかけていた保険契約が継続している場合はどうかというと、この場合も契約内容通りの保障が得られます。

 後年、ボクシングの選手になっていてケガをした場合にも、入院特約から入院給付金が支払われるといったことになります。

 そもそも、保険加入後、職業の変更について、保険会社に通知する義務はありませんから、特に問題はないというわけです(ただし、損害保険の「傷害保険」では、職業が変わる場合など通知義務があります)。

 なお、「個人年金保険」のような貯蓄商品の利用については、職業による制約はありません(なんだかホッとします)。

 あらためて、職業やスポーツの種目を通して、保険について調べてみると、人の気持ちとは裏腹に「イメージしやすいリスクに備える手段として、保険はふさわしくない」ことを再認識します。

 読者の皆様にも「もともと、保険とはそういうもの」と理解していただきたいと思います。