「先進医療特約」高額の給付は2万人に1人? | あなたの保険大丈夫ですか?将来の年金支給額知ってますか?直ぐに計算出来ますよ

「先進医療特約」高額の給付は2万人に1人?

 「全部が全部、最先端の画期的な医療技術というわけではないのに、先進医療にスポットを当てて保険を販売するのはいかがなものか?」 このところ、複数の医療従事者の方から「医療保険」や「がん保険」に付帯されている「先進医療特約」について、上記のようなご指摘を頂いています。

 本連載では既に昨年10月28日に「先進医療特約」について書いていますが、最近入手できた情報も加えて、再度取り上げることにします。

 近年「先進医療特約」が付加された保険の人気が高いのは、「がん」に有効とされる重粒子線治療や陽子線治療が、健康保険適用外であり、300万円ほどの実費が患者さんの自己負担になることが認知されてきたからでしょう。

 たとえば、「腰骨にある『がん』を治療する際、腰骨を摘出すると歩行が困難になることもあります。でも、重粒子線治療では、がん細胞のみ消滅させることができるんです。実費が払えないからと、あきらめられるでしょうか?」といった案内がなされると、必須の特約だと思えたりします。

 ところが、ある開業医の方は「重粒子線治療は、患者さんの希望に応じてできる治療ではない。300万円が用意されていても無理なことがある。転移がないことや『がん』細胞の大きさなどにもよるし、施設数から対応可能な患者数にも限度がある。保険に入っていれば救われるとは思って欲しくない」「保険会社のテレビCM等は、こうした医療の実態とかけ離れていて、先進医療が、保険販売のエサみたく扱われている気がする」とおっしゃいます。

 また、別の医療従事者の方は「重粒子線治療の効用は認めるが、他の先進医療も含めて、本来、『実験医療』と呼ぶべきものだ。事例が増えるまで、自分では受けたくない治療もある」と語られます。

 こうした異論に触れることができるのは有難いことだと思います。

 そして、消費者が冷静な判断を行うには、やはり保険商品の「コストとパフォーマンス」に関する情報開示が必要だろうと、改めて感じます。

 一般に「先進医療特約」の保険料は、せいぜい100円程度とはいえ、この特約が付加されている「医療保険」や「がん保険」が加入に値するのかどうかは、かなり怪しいからです。

 まず、契約にかかるコストが疑問です。ビジネス誌などで確認できる代理店の販売手数料率が、初年度の保険料の40~60%にも及ぶ商品が少なくないことから、「暴利」が通用している金融商品だとする向きもあります。

 実際、透明性に欠ける商品であることは否めません。であれば、極力、利用しないのが、消費者の基本的な対処法でしょう。

 また、コストだけではなくパフォーマンス、つまり給付金の支払いも全般に不透明です。ただし、この点についてはメットライフアリコとNKSJひまわり生命の2社から、貴重な情報提供がありました。

 メットライフアリコには、先進医療給付特約発売から3年間で約100万件の保有契約があり、重粒子線治療19件、陽子線治療32件の支払いが発生しているということです。したがって、2万人に1人強くらいの割合で、300万円ほどの給付金が支払われていると見ることができそうです。

 一方、NKSJひまわり生命では、過去4年弱で83万9千件ほどの契約があり、重粒子線と陽子線治療の合計支払件数は26件ということですから、10万人に3人強程度です。

 保有契約の中には、当該特約が付加されていない契約も混在しているそうなので、実際の給付率はもう少し高いと思われます。また、発売後の経過年数が短いので、今後の給付率はもっと高くなるかもしれません。

 私は、現状、「先進医療特約」目当ての保険加入には否定的ですが、こうした情報が増えることは大歓迎です。