マルク本位制EMSはなぜ崩壊したか?
マルク本位制とは、どういうシステムなのでしょうか。
マルク本位制では、基軸通貨国の西ドイツと他のEMS参加各国とは役割が次のように異なるのです。
基軸通貨国 ・・・ マルクとドルとの為替相場を調整
EMS各国 ・・・ EMSの相場安定をコントロール
基軸通貨国──西ドイツの役割について考えましょう。
ドイツ連邦銀行は、EMSの中央銀行として、外国為替市場に介入して、マルクとドルの為替相場を調整するのです。マルク高にならないようコントロールするのがドイツ連邦銀行の役割ということになります。
これに対してEMS各国の役割は、上下2.25 %の変動限度に達する前に積極的に介入して自国通貨を対マルクの変動限度内に維持することです。もし、2.25%の限度まで下落すると投機筋に狙われる恐れがあるので、変動幅介入を行って変動幅内に収めるようコントロールするのです。
もうひとつ、マルク本位制を本物に大きく近づけたのは、変動幅介入に使う通貨──介入通貨にマルクを使うことを西ドイツが認めたことです。それまでは介入通貨といえば、ドルであり、各国はそのために外貨準備としてドルを保有していたのですが、欧州ではマルクを外貨準備として持つ国が増えたのです。
なぜ介入通貨のドルをマルクに切り替えたのかというと、ドルでは本来の目的が果たせないからです。たとえば、ユーロ各国が変動幅介入を目的にドル売り、自国通貨買いを行うと、ドルが一層下落してしまうからです。プラザ合意以後はドルの下落基調が続いていたので、そういう事態になるのです。
ドイツ連銀は、変動幅介入通貨としてマルクを供給することを約束し、EMS諸国間の協調金利政策も取り決め、EMSの体制の強化を図ったのです。その結果、世界の外貨準備におけるマルクのシェアは約30%に達したのです。
EMSは、このようにしてプラザ合意を乗り切ったことによって求心力が高まり、1989年6月にはスペインが、1990年10月にはイギリスがEMSに加盟したのです。
さらにオーストリア・シリングとスイス・フランはマルクとリンクし、北欧3通貨──ノルウェーとスウェーデンの2つのクローナとフィンランド・マルクがEMSにペッグするなど、強化されたEMSを頼る国が増えてきたのです。
これらの国は、EMSとリンクすることにより、為替相場を安定させ、金利の引き下げを実現しようとしたのです。このようにしてEMSは、1990年代のはじめには、北欧から南欧まで包含する大欧州為替相場圏として形成されるにいたったのです。
中国の人民元と日本の円との直接の為替取引が始まりましたが、これは双方にとって利益がありドルを介するよりも手数料も安くなります。中国はドルばかり持っていてもドルは値下がりするばかりで国内をインフレにしてしまう。高橋洋一氏は、「中国は、米ドル離れを意図して、ドルを介さない貿易を拡大している。既にパキスタン、タイ、カザフスタン、モンゴル、ウズベキスタン、ニュージーランド、韓国、アラブ首長国連邦とは両国の通貨を中央銀行同士で交換するための取り決めを結んでいる。その背景としては、人民元建ての投資や貿易を促進するために、相手国が機動的に人民元を調達できるようにすることがある。」と説明しています。
人民元を国際通貨として広めて行きたいが、ドルとの為替は固定しておきたい。円と人民元の直接取引が始まれば、外貨をドルばかりで持つよりも円や他の通貨にリスクを分散できるメリットがあります。日本も同じでありドルばかりで持っているよりも人民元にリスクを分散すればドルの目減りを防げます。手数料が減ってリスクも分散できるのだから、今までそうならなかったほうがおかしい。
おそらく他の韓国ウォンやタイのバーツやインドネシアのルピーなどともドルを介することなく決済すれば手数料の節約になりますが、アジア各国も円を外貨として持つ割合が増えていくことになるだろう。前例としてはヨーロッパのEMSが参考になると思いますが、アジア各国もドルを沢山抱えてもドルの値下がりリスクは避けたいはずだ。あるいは投機筋に1997年の時のように売りたたかれた時も日中韓スワップ協定のようなものがあれば投機筋に狙われずに済む。
韓国経済もだいぶ厳しいようですが、投機筋に狙われずに済んでいるのは日本や中国と通貨スワップ協定を結んでいるからだ。韓国フォンが売り叩かれても日本円で為替介入すれば投機に対抗が出来ます。ヨーロッパにおいてもイギリスやイタリアなどが投機筋に狙われて売り叩かれましたが、これに懲りて西ドイツマルクを借りて投機筋に対抗する動きが出た。これがEMSの発端になりますがアジアでも同じような動きが出てきたのだろう。
中国にしても人民元を国際化したくとも、為替を自由化すれば投機筋のおもちゃにされて、吊り上げられたり売り叩かれたりすることを避けたい。その為には西ドイツマルクの役割を日本の円が果たせば、大東亜共円圏が出来上がることになる。
要するに強い通貨が基軸通貨化して行く事は当然の流れだ。それだけドルが弱くなってきて信用がなくなって来てる。
日本は中国の国債も買うようになりましたが、アジア各国の国債などを購入することで円が基軸通貨化していくだろう。ドルもユーロも札をばら撒くばかりで世界に溢れかえってインフレをもたらしている。国内が不景気だから政府が札をばら撒いて失業者を減らそうと言うのは仕方のないことですが、為替投機筋がドルやユーロを売って円を買うから円が高くなる。
円が高くなれば中国も韓国も日本から部品や資本財を輸入しているからアジア諸国も困ることになる。アメリカは自分の国のことしか考えないからドルが安くなれば輸出が増えると安くしているのでしょうが、アジア諸国も日本から買いたいものはあるがアメリカから買いたいものはそんなに無い。農産物か兵器ぐらいなものだろう。
日本の外交戦略は今まではアメリカ一辺倒出来ましたが、アメリカ経済の衰退によってドルの基軸通貨体制も揺らいで来ている。結局は通貨の価値はその国の経済力で決まるのであり、世界は日本経済が一番強いと見ているから円が買われている。中国は世界一の外貨保有国ですが、人民元は少しでも高くなると輸出がダメージを負ってしまう。だから為替の自由化が出来ない。
安住財務大臣は国内では財源がないと東日本大震災にも金を出し渋るのに、海外に対してはアフガニスタンに5000億円も供与するなど大盤振る舞いだ。IMFにも資金供出には積極的ですが、日本の円の価値はますます大きくなってきて、基軸通貨も多極化してきてドルの基軸通貨体制は、新しい段階に来つつある。中東諸国も石油をいつまでもドルで売っていてもドルが目減りするばかりだから、ドルで石油を売ることも近いうちになくなるだろう。
アメリカがイランを痛めつけているのは、ドル以外で石油を売っているからですが、イラクもユーロで石油を売って叩かれた。しかしリーマンショック以来アメリカの力は急速に衰えてきて、日本の円と中国の人民元との直接取引も出来るようになった。ドルの基軸通貨体制が崩れるのは時間の問題であり、ドルをばら撒きすぎれば基軸通貨でいられなくなるのは当然だ。
マルク本位制では、基軸通貨国の西ドイツと他のEMS参加各国とは役割が次のように異なるのです。
基軸通貨国 ・・・ マルクとドルとの為替相場を調整
EMS各国 ・・・ EMSの相場安定をコントロール
基軸通貨国──西ドイツの役割について考えましょう。
ドイツ連邦銀行は、EMSの中央銀行として、外国為替市場に介入して、マルクとドルの為替相場を調整するのです。マルク高にならないようコントロールするのがドイツ連邦銀行の役割ということになります。
これに対してEMS各国の役割は、上下2.25 %の変動限度に達する前に積極的に介入して自国通貨を対マルクの変動限度内に維持することです。もし、2.25%の限度まで下落すると投機筋に狙われる恐れがあるので、変動幅介入を行って変動幅内に収めるようコントロールするのです。
もうひとつ、マルク本位制を本物に大きく近づけたのは、変動幅介入に使う通貨──介入通貨にマルクを使うことを西ドイツが認めたことです。それまでは介入通貨といえば、ドルであり、各国はそのために外貨準備としてドルを保有していたのですが、欧州ではマルクを外貨準備として持つ国が増えたのです。
なぜ介入通貨のドルをマルクに切り替えたのかというと、ドルでは本来の目的が果たせないからです。たとえば、ユーロ各国が変動幅介入を目的にドル売り、自国通貨買いを行うと、ドルが一層下落してしまうからです。プラザ合意以後はドルの下落基調が続いていたので、そういう事態になるのです。
ドイツ連銀は、変動幅介入通貨としてマルクを供給することを約束し、EMS諸国間の協調金利政策も取り決め、EMSの体制の強化を図ったのです。その結果、世界の外貨準備におけるマルクのシェアは約30%に達したのです。
EMSは、このようにしてプラザ合意を乗り切ったことによって求心力が高まり、1989年6月にはスペインが、1990年10月にはイギリスがEMSに加盟したのです。
さらにオーストリア・シリングとスイス・フランはマルクとリンクし、北欧3通貨──ノルウェーとスウェーデンの2つのクローナとフィンランド・マルクがEMSにペッグするなど、強化されたEMSを頼る国が増えてきたのです。
これらの国は、EMSとリンクすることにより、為替相場を安定させ、金利の引き下げを実現しようとしたのです。このようにしてEMSは、1990年代のはじめには、北欧から南欧まで包含する大欧州為替相場圏として形成されるにいたったのです。
中国の人民元と日本の円との直接の為替取引が始まりましたが、これは双方にとって利益がありドルを介するよりも手数料も安くなります。中国はドルばかり持っていてもドルは値下がりするばかりで国内をインフレにしてしまう。高橋洋一氏は、「中国は、米ドル離れを意図して、ドルを介さない貿易を拡大している。既にパキスタン、タイ、カザフスタン、モンゴル、ウズベキスタン、ニュージーランド、韓国、アラブ首長国連邦とは両国の通貨を中央銀行同士で交換するための取り決めを結んでいる。その背景としては、人民元建ての投資や貿易を促進するために、相手国が機動的に人民元を調達できるようにすることがある。」と説明しています。
人民元を国際通貨として広めて行きたいが、ドルとの為替は固定しておきたい。円と人民元の直接取引が始まれば、外貨をドルばかりで持つよりも円や他の通貨にリスクを分散できるメリットがあります。日本も同じでありドルばかりで持っているよりも人民元にリスクを分散すればドルの目減りを防げます。手数料が減ってリスクも分散できるのだから、今までそうならなかったほうがおかしい。
おそらく他の韓国ウォンやタイのバーツやインドネシアのルピーなどともドルを介することなく決済すれば手数料の節約になりますが、アジア各国も円を外貨として持つ割合が増えていくことになるだろう。前例としてはヨーロッパのEMSが参考になると思いますが、アジア各国もドルを沢山抱えてもドルの値下がりリスクは避けたいはずだ。あるいは投機筋に1997年の時のように売りたたかれた時も日中韓スワップ協定のようなものがあれば投機筋に狙われずに済む。
韓国経済もだいぶ厳しいようですが、投機筋に狙われずに済んでいるのは日本や中国と通貨スワップ協定を結んでいるからだ。韓国フォンが売り叩かれても日本円で為替介入すれば投機に対抗が出来ます。ヨーロッパにおいてもイギリスやイタリアなどが投機筋に狙われて売り叩かれましたが、これに懲りて西ドイツマルクを借りて投機筋に対抗する動きが出た。これがEMSの発端になりますがアジアでも同じような動きが出てきたのだろう。
中国にしても人民元を国際化したくとも、為替を自由化すれば投機筋のおもちゃにされて、吊り上げられたり売り叩かれたりすることを避けたい。その為には西ドイツマルクの役割を日本の円が果たせば、大東亜共円圏が出来上がることになる。
要するに強い通貨が基軸通貨化して行く事は当然の流れだ。それだけドルが弱くなってきて信用がなくなって来てる。
日本は中国の国債も買うようになりましたが、アジア各国の国債などを購入することで円が基軸通貨化していくだろう。ドルもユーロも札をばら撒くばかりで世界に溢れかえってインフレをもたらしている。国内が不景気だから政府が札をばら撒いて失業者を減らそうと言うのは仕方のないことですが、為替投機筋がドルやユーロを売って円を買うから円が高くなる。
円が高くなれば中国も韓国も日本から部品や資本財を輸入しているからアジア諸国も困ることになる。アメリカは自分の国のことしか考えないからドルが安くなれば輸出が増えると安くしているのでしょうが、アジア諸国も日本から買いたいものはあるがアメリカから買いたいものはそんなに無い。農産物か兵器ぐらいなものだろう。
日本の外交戦略は今まではアメリカ一辺倒出来ましたが、アメリカ経済の衰退によってドルの基軸通貨体制も揺らいで来ている。結局は通貨の価値はその国の経済力で決まるのであり、世界は日本経済が一番強いと見ているから円が買われている。中国は世界一の外貨保有国ですが、人民元は少しでも高くなると輸出がダメージを負ってしまう。だから為替の自由化が出来ない。
安住財務大臣は国内では財源がないと東日本大震災にも金を出し渋るのに、海外に対してはアフガニスタンに5000億円も供与するなど大盤振る舞いだ。IMFにも資金供出には積極的ですが、日本の円の価値はますます大きくなってきて、基軸通貨も多極化してきてドルの基軸通貨体制は、新しい段階に来つつある。中東諸国も石油をいつまでもドルで売っていてもドルが目減りするばかりだから、ドルで石油を売ることも近いうちになくなるだろう。
アメリカがイランを痛めつけているのは、ドル以外で石油を売っているからですが、イラクもユーロで石油を売って叩かれた。しかしリーマンショック以来アメリカの力は急速に衰えてきて、日本の円と中国の人民元との直接取引も出来るようになった。ドルの基軸通貨体制が崩れるのは時間の問題であり、ドルをばら撒きすぎれば基軸通貨でいられなくなるのは当然だ。