学資保険は売り手の「ドアノック商品」
進学シーズンということで、今回は「学資保険」をとりあげます。
「子供が生まれたので学資保険を検討したいのですが、お薦めはありますか?」と尋ねられることは、多々あります。商品の認知度の高さを実感しつつ、私はとても不思議な気持ちになります。
そもそも子供が生まれたからといって、なぜ「学資保険」を検討しなければならないのかが、よくわからないからです。
文部科学省の平成22年度「子供の学習費調査」などを参照すると、進学コースにもよりますが、子供1人当たり800万円から2000万円程度の教育費が必要になりそうなことが確認されます。
大学進学時に100万~200万円のお金がかかる場合には、「学資保険のおかげで準備が整っている」と安心できるかもしれません。
しかし、それだけでは、教育資金の問題について、せいぜい2割程度、対策が打てたことになるだけです。
教育資金の総額を考えると、出産直後あるいは出産前から、売れ筋のコースで総額100万~200万円程度の満期金がある保険を利用して、積み立てを開始することが急務であるとは思えないのです。
ただ、ここからは推察ですが、視点を「売り手の都合」に移してみると、進学資金だけにスポットを当てた商品が優先的に検討されることは好ましく感じられます。
誰もが、「学資保険」ではカバーされない、800万~1800万円を準備する方法を真剣に考え始めると困ったことになりそうだからです。
たとえば、「子供が中学や高校に進むと出費もかさみそうだから、お金を貯めるなら小学校卒業までの12年間が勝負」と考える場合、毎年100万円貯めると1200万円になります。
とはいえ、出産と同時に年収が100万円増えるとは思えないので、出費の見直しが不可欠になるでしょう。すると「無駄な保険料の支払いはないだろうか? この際、徹底的にコストカットしよう!」と決意する人が出てくるのは時間の問題だと思われます。収入を増やすより着手しやすく、効果も持続するのですから当然でしょう。
実際、子供が自立するまで一定期間、世帯主の万が一に備える保険だけを利用すると、仮に30代半ばの方であれば会社員の平均年収の4~5年分を月々5千円未満の保険料で確保できます。それは、間違った選択ではありませんし、基本的に「痛みを伴わないコスト削減法」としてもおすすめできるものです。
しかし、保険の売り手としては、このようなシンプルな判断は避けて欲しいところです。もともと学資保険のように、お客様から預かったお金を若干でも殖やして返金する商品は、手数料を大きく設定できないこともあり、あまり魅力的ではないからです。
したがって、売り手の本音は「進学資金準備が出来てご安心ですね」ではありません。
学資保険だけでは儲からないので「この際、他社の保険も弊社の保険に乗り換えませんか」「弊社でご加入中の保険をグレードアップしませんか」「配偶者の保障についても検討したいですね」と次の商談に進みたいのです。
実際、学資保険は、保険業界では「ドアノック商品」と呼ばれたりもします。お客様に話を聞いてもらいやすく、その後の展開が期待できる商品という位置づけです。
そんなわけで、学資保険にこだわるお客様は、20年近く保険会社の顧客リストに載り続け、セールスの攻勢を受けることのデメリットも、想像されてはと思う次第です。
現状、貯蓄性が高いとされている学資保険でも17~18年間の利回りは1%前後です。中途解約では元本割れするリスクもあるので、執着するほどの商品ではありません。
私は、出産をきっかけにやるべきことは、相対的に有利な学資保険選びではなく、必要最低限の保険活用について再考することだと考えています。
「子供が生まれたので学資保険を検討したいのですが、お薦めはありますか?」と尋ねられることは、多々あります。商品の認知度の高さを実感しつつ、私はとても不思議な気持ちになります。
そもそも子供が生まれたからといって、なぜ「学資保険」を検討しなければならないのかが、よくわからないからです。
文部科学省の平成22年度「子供の学習費調査」などを参照すると、進学コースにもよりますが、子供1人当たり800万円から2000万円程度の教育費が必要になりそうなことが確認されます。
大学進学時に100万~200万円のお金がかかる場合には、「学資保険のおかげで準備が整っている」と安心できるかもしれません。
しかし、それだけでは、教育資金の問題について、せいぜい2割程度、対策が打てたことになるだけです。
教育資金の総額を考えると、出産直後あるいは出産前から、売れ筋のコースで総額100万~200万円程度の満期金がある保険を利用して、積み立てを開始することが急務であるとは思えないのです。
ただ、ここからは推察ですが、視点を「売り手の都合」に移してみると、進学資金だけにスポットを当てた商品が優先的に検討されることは好ましく感じられます。
誰もが、「学資保険」ではカバーされない、800万~1800万円を準備する方法を真剣に考え始めると困ったことになりそうだからです。
たとえば、「子供が中学や高校に進むと出費もかさみそうだから、お金を貯めるなら小学校卒業までの12年間が勝負」と考える場合、毎年100万円貯めると1200万円になります。
とはいえ、出産と同時に年収が100万円増えるとは思えないので、出費の見直しが不可欠になるでしょう。すると「無駄な保険料の支払いはないだろうか? この際、徹底的にコストカットしよう!」と決意する人が出てくるのは時間の問題だと思われます。収入を増やすより着手しやすく、効果も持続するのですから当然でしょう。
実際、子供が自立するまで一定期間、世帯主の万が一に備える保険だけを利用すると、仮に30代半ばの方であれば会社員の平均年収の4~5年分を月々5千円未満の保険料で確保できます。それは、間違った選択ではありませんし、基本的に「痛みを伴わないコスト削減法」としてもおすすめできるものです。
しかし、保険の売り手としては、このようなシンプルな判断は避けて欲しいところです。もともと学資保険のように、お客様から預かったお金を若干でも殖やして返金する商品は、手数料を大きく設定できないこともあり、あまり魅力的ではないからです。
したがって、売り手の本音は「進学資金準備が出来てご安心ですね」ではありません。
学資保険だけでは儲からないので「この際、他社の保険も弊社の保険に乗り換えませんか」「弊社でご加入中の保険をグレードアップしませんか」「配偶者の保障についても検討したいですね」と次の商談に進みたいのです。
実際、学資保険は、保険業界では「ドアノック商品」と呼ばれたりもします。お客様に話を聞いてもらいやすく、その後の展開が期待できる商品という位置づけです。
そんなわけで、学資保険にこだわるお客様は、20年近く保険会社の顧客リストに載り続け、セールスの攻勢を受けることのデメリットも、想像されてはと思う次第です。
現状、貯蓄性が高いとされている学資保険でも17~18年間の利回りは1%前後です。中途解約では元本割れするリスクもあるので、執着するほどの商品ではありません。
私は、出産をきっかけにやるべきことは、相対的に有利な学資保険選びではなく、必要最低限の保険活用について再考することだと考えています。