新社会人はすぐ保険に入る必要ない | あなたの保険大丈夫ですか?将来の年金支給額知ってますか?直ぐに計算出来ますよ

新社会人はすぐ保険に入る必要ない

 「えぇ!? じゃあ、私の場合、何にも入らなくていいんですか?」「自分に新卒で就職する子供がいたら、『(保険には)急いで入らなくていい』と言いますね」

 先日、この春、新社会人になる人とお話しする機会がありました。「保険って、どうしたらいいんでしょうか?」と尋ねられたので、私は「基本的に、小さな子供がいる世帯主以外は、入らなくていいでしょう」と答えました。

 そこで、冒頭に書いたようなやり取りが続くことになったのですが、その後も4点ほど質問を受けることになりました。

(1)「医療保険」だけは入っておいた方がいいのではないか

(2)若い時に入ると安いといわれるが、その点はどう考えたらいいか

(3)病気になってからでは遅いのではないか

(4)年金に不安があるが、どうしたらいいのか

 ……というものです。同じような疑問を持っていらっしゃる方も多いと思いますから、順に私の考え方を書いておきます。

 まず「医療保険」については、保険会社の人たちは、「医療保険」加入に執着していない、と書けばわかりやすいでしょうか。

 「健康保険」の高額療養費制度等を理解し、販売手数料率なども知っている業界関係者は、「医療保険」を必要不可欠なものとは認識していないのです。一般の方にも「最も優先順位が低い保険」と考えてもらっていいはずです。

 次に、保険料が安い年齢で、病気などをしないうちに入っておくという考え方です。人間の心理としてはよくわかります。しかし、そもそも民間の保険に加入していないことを「無保険状態」と認識するのは間違いです。

 先に書いた通り、医療に関しては「健康保険」がありますし、生計を支える人が亡くなった場合には「遺族年金」が支払われます。障害者には「障害年金」が、会社員や公務員の場合、就業不能になっても一定期間「傷病手当金」が支払われるのです。

 もちろん、こうした公的な保険があれば万事問題なし、と言うつもりはありません。ただ、公的保険の限界を補う必要性と、民間の商品のコストパフォーマンスの疑わしさを秤(はかり)にかけると、「とりあえず早めの加入を」とお勧めする気にはなれない、ということです。

 大手生保の営業職だった頃、私は、若い方にも「加入できる時に」と保険を勧めていました。死亡保険に加入できないまま亡くなられた親御さんと、その後のご遺族の体験談などに触れる機会があったからです。

 しかし、当時の私は、自分の背中を押してくれる情報を欲していたのだと思います。有無を言わせぬ実話を、コストとパフォーマンスが明らかでない商品を販売する際の「よりどころ」にしていた一面を否定できません。

 「とりあえず……」と言うのであれば「透明性に欠ける商品の利用は控える」のが正しい判断でしょう

 それから、年金の不安があることと保険商品が有用であることは、全く別の話です。低い利回りの商品で長期の契約を結び、資産形成をもくろむのは基本的に避けた方がいい、と覚えておいてほしいと思います。

 社会人になったら、年金うんぬん以前に、給与が振り込まれる口座から自動振替で別口座にお金を積み立てる仕組みを利用し、早く100万円くらいの手元資金を作ることです。

 そうすることで、保険活用を、子供が自立するまで一定期間の死亡保障に限定することが出来ます。親世代の人から「保険は貯蓄代わりにもなる」などと言われることがあるかもしれませんが、現状、通用する見解ではありません。

 まとめると、新社会人が心掛けるべきことは次の3点だと考えます。

(1)公的な保障制度や勤務先の諸制度を知る

(2)まずは貯蓄に励む

(3)金融商品の購入を急がない

 いずれも、商品の「売り手」からは推奨されにくいこともポイントかもしれません。