保険は「定食」より「単品」がいい | あなたの保険大丈夫ですか?将来の年金支給額知ってますか?直ぐに計算出来ますよ

保険は「定食」より「単品」がいい

 ある大手生命保険会社の「保険がわかるサイト」というページを見て、ちょっと驚きました。

 「ランチをするとき単品にするか定食にするか迷ったことはないでしょうか? どちらかというと単品を数種類選ぶよりも定食の方が、値段が安く栄養のバランスも良いように思います」とあったからです。

 この後に「生命保険も同じです」と続き、単品を組み合わせるデメリットが2点挙げられています(番号は筆者が振りました)。

(1)単品の組み合わせの場合、保障の重複もあるため、保険料が割高になることもあります

(2)生命保険の場合、給付金の手続きも保険会社ごとに必要となるため、煩雑になることもあります

 そして、「生命保険も定食のように必要な特約が組み合わさっている商品の方がメリットがあるかもしれません!」と結ばれています。

 単に「自社の都合」による記述に感じられます。個々に反論します。

 まず(1)です。「単品」と書かれているのは、死亡に備える「定期保険」や「終身保険」、入院や大病に備える「医療保険」や「がん保険」など、利用目的に応じてバラ売りされている保険のことです。

 確かに、単品を組み合わせることで保障の重複が発生することはあります。たとえば、「医療保険」と「がん保険」に2本加入する場合です。がんで入院した際、双方の契約から入院給付金の支払いがあるので、「保障が重なっている、重複部分の保険料が無駄ではないか」と指摘することもできるでしょう。

 とはいえ、それは単品の組み合わせでなくても起こることです。現実に大手生保の主力商品で、死亡保障を主体にした契約に、病気による入院の際、給付金が支払われる「入院特約」に加えて、がんによる入院のみに対応している「がん入院特約」がセットされているケースは多々あります。

 単品の組み合わせが、より日常的かつ本格的に(?)行われているのは大手生保の主力商品なのです。ただ、あらゆる単品の機能を「特約」と呼んでオプション扱いにしているだけでしょう。

 そこでは、多数の保障がパッケージされているため、仮に保障の重複を嫌う方でも、そのことに気づきにくいだろうと思えます。また「それぞれの品目にいくらお金がかかるのか?」検証することが容易ではありません。

 実際、私は、死亡保障に要する保険料が、他社の単品の倍くらいに設定されている例などを再三見ています。コースメニューを頼むと、単品では500円のコーヒーが1000円で計算されているようなものでしょう。

 次に(2)です。単品で複数の保険会社の商品を利用すると、手続きが煩雑になる可能性は否定しません。

 しかし、もとより複数の保障を確保すべきでしょうか? 本連載で繰り返している通り、私は、保険での対応が適しているのは、小さな子供がいる世帯主の万が一に備えるくらいで、他に幾つもないと考えています。

 さらに、記憶に新しい「保険金の不払い」も、多様な特約が付加された契約で多発した事実があります。平成20年(2008年)7月の金融庁の文書を確認すると、平成13年(01年)度から17年(05年)度までの5年間で「支払い漏れ」件数の発生割合のトップは手術給付金で55.7%、「請求漏れ」件数では通院給付金が78.4%となっています。報告したのは38社ですが、いずれも単品で販売されている保障ではありません。

 私自身、大手生保に在籍していたこともあり、自戒の念も込めて書きますが、保険を食事にたとえると、「本当に食べる必要があるのか?」を検討することが最重要で、「定食」を前提に検討する必然性はないはずです。

 最後に、大手でも日本生命は、昨年から「商品の単品化」への路線変更を打ち出していることを付記しておきます。注目すべき動きだと思います。