「『特約』って、どう考えたらいいんですか?」
先日、あるセミナーで出た質問です。具体的な特約についてではなく、「そもそも……」という視点からの問いは新鮮でした。改めて考えてみます。
「特約」とは、ある保険に加入する際に付加することができる選択肢です。死亡だけを保障する契約に、入院に対応する保障も追加すると、死亡保障が「主契約」になり、入院保障は「特約」になります。
「特約」は「保険で備えたい事態の発生頻度」によって2種類に分けられると思います。
(1)入院特約など「発生しがちな事態」に備えるもの
(2)災害特約など「限定的な事態」に対応するもの
です。(1)の場合、お客様から自発的に付加される傾向が強いと思います。身近に感じられる事態に保険を掛けたがる方が多いのです。
「死亡より入院は多発する、入院の中でも『がん』の場合には(給付額が)1日5千円ではなくて、1万円になる特約があるのなら、それは付けておきたい」といった具合です。
他にも、若い女性が「帝王切開で出産した知人が『たくさん保険金がもらえた』と言っていたので」と「女性疾病特約」の付加を希望されることもよくあります。
いずれも「他人事とは思えないので、保障を上乗せしておこう」という判断がなされるわけです。
その点、(2)は対照的です。たとえば「災害割増特約」という特約があります。働き盛りの世帯主が10年・15年といった契約期間中に死亡すること自体、まれなことですが、「災害や事故による死亡の場合には、保険金が1000万円割り増しになります」などと、さらに限られたケースに対応しているものです。
私は、死因によって遺族が必要とする保険金の額が変わるとは思えないので、この特約の存在意義はよくわかりません。それでも、めったに起きない事態に備える特約は、保険料が安いので、その存在が知られると、お客様に付加していただけることが多いと感じています。
テレビCMなどでおなじみの「先進医療特約」などが最たるものでしょう。300万円前後のがん治療に対応しているのが売りですが、保険金の支払いは数万人に1人の割合でしか発生しないため、月々100円程度で付加できます。今では自ら付加を希望される方が多数派です。
このように、発生頻度において2種類に分けられそうな特約ですが、お客様の決断には共通点があると感じます。ともに微妙な「消費者心理」が絡んでいるように思えるのです。
認知度が高い病気などに対して保障を厚くする特約について、「付けておいた方が安心」とする向きが多いのは、人の気持ちとして自然なものでしょう。実際「女性は女性特有の病気に備える特約も付けておくと安心」とするファイナンシャルプランナーなども珍しくありません。
加えて、特約を付加しないことで保険金の割り増しが無くなることを想像した場合、「後悔したくない」という感情が生じることもある気がします。
特約を吟味するお客様は、保険加入について、ある程度前向きになっていることも関係しているかもしれません。「入院したら1日1万円」というシンプルな商品と、「女性特有の病気ではプラス5千円」という特約付きの商品を同時に提示すると、後者の方が好まれるというのが、営業現場での実感です。
いずれにしても、保険を検討する際、お客様が「特約を足していく方向」に傾きがちなことは、再考すべきだと思います。本連載の2回目に書いたとおり、保険は胴元の取り分が明らかにされていない「クジ」のようなものだからです。
冒頭の「特約をどう考えるか」という質問に戻ると、私は「付加しないほどいい」と回答しました。「クジの追加購入で、より多くの安心を得る」のは、やはり不自然だと思うのです。
「特約」とは、ある保険に加入する際に付加することができる選択肢です。死亡だけを保障する契約に、入院に対応する保障も追加すると、死亡保障が「主契約」になり、入院保障は「特約」になります。
「特約」は「保険で備えたい事態の発生頻度」によって2種類に分けられると思います。
(1)入院特約など「発生しがちな事態」に備えるもの
(2)災害特約など「限定的な事態」に対応するもの
です。(1)の場合、お客様から自発的に付加される傾向が強いと思います。身近に感じられる事態に保険を掛けたがる方が多いのです。
「死亡より入院は多発する、入院の中でも『がん』の場合には(給付額が)1日5千円ではなくて、1万円になる特約があるのなら、それは付けておきたい」といった具合です。
他にも、若い女性が「帝王切開で出産した知人が『たくさん保険金がもらえた』と言っていたので」と「女性疾病特約」の付加を希望されることもよくあります。
いずれも「他人事とは思えないので、保障を上乗せしておこう」という判断がなされるわけです。
その点、(2)は対照的です。たとえば「災害割増特約」という特約があります。働き盛りの世帯主が10年・15年といった契約期間中に死亡すること自体、まれなことですが、「災害や事故による死亡の場合には、保険金が1000万円割り増しになります」などと、さらに限られたケースに対応しているものです。
私は、死因によって遺族が必要とする保険金の額が変わるとは思えないので、この特約の存在意義はよくわかりません。それでも、めったに起きない事態に備える特約は、保険料が安いので、その存在が知られると、お客様に付加していただけることが多いと感じています。
テレビCMなどでおなじみの「先進医療特約」などが最たるものでしょう。300万円前後のがん治療に対応しているのが売りですが、保険金の支払いは数万人に1人の割合でしか発生しないため、月々100円程度で付加できます。今では自ら付加を希望される方が多数派です。
このように、発生頻度において2種類に分けられそうな特約ですが、お客様の決断には共通点があると感じます。ともに微妙な「消費者心理」が絡んでいるように思えるのです。
認知度が高い病気などに対して保障を厚くする特約について、「付けておいた方が安心」とする向きが多いのは、人の気持ちとして自然なものでしょう。実際「女性は女性特有の病気に備える特約も付けておくと安心」とするファイナンシャルプランナーなども珍しくありません。
加えて、特約を付加しないことで保険金の割り増しが無くなることを想像した場合、「後悔したくない」という感情が生じることもある気がします。
特約を吟味するお客様は、保険加入について、ある程度前向きになっていることも関係しているかもしれません。「入院したら1日1万円」というシンプルな商品と、「女性特有の病気ではプラス5千円」という特約付きの商品を同時に提示すると、後者の方が好まれるというのが、営業現場での実感です。
いずれにしても、保険を検討する際、お客様が「特約を足していく方向」に傾きがちなことは、再考すべきだと思います。本連載の2回目に書いたとおり、保険は胴元の取り分が明らかにされていない「クジ」のようなものだからです。
冒頭の「特約をどう考えるか」という質問に戻ると、私は「付加しないほどいい」と回答しました。「クジの追加購入で、より多くの安心を得る」のは、やはり不自然だと思うのです。