医療保障に死亡保障セットは売り手の都合 | あなたの保険大丈夫ですか?将来の年金支給額知ってますか?直ぐに計算出来ますよ

医療保障に死亡保障セットは売り手の都合

 「どうして私が死んだら2000万円なんでしょう?」。先日、30代の独身女性から質問されました。

 大手生保の営業担当者に「入院やがんは気になる」と伝えたところ、死亡保障が2000万円のプランを提示されたのだそうです。「がんになったら200万円出るんですけど、入院は1日5千円です。(保障の)バランスが変ですよね?」と苦笑されていました。

 「しかも毎月1万8千円! 高過ぎですよね?」とも言われたので、私は「売り手の都合でしょう」と答えました。

 お客様がすすめられた保険は、大手生保の主力商品で、死亡・医療・介護・貯蓄といった様々な利用目的に対応しているのが売りです。

 ただ、医療保障に興味がある独身女性に、2000万円の死亡保障がセットになったプランが提示されるのは、営業成績の評価方法のせいかもしれません。

 大手生保の場合、一定期間、大型の保障が確保できる保険を販売した場合、担当者に高い報酬が支払われるケースが多いと推察されるからです。そんなわけで、今回の例では、まずは「売り手にとってのイチオシ」をぶつけてみたと考えられそうです。

 また、保険料についても、単価が安いプランを出した後、より高いプランへ話を進めていくのは難しいものです。逆に「こんなに払えないんですが……」と反応されるくらい高いプランから始めて、落としどころを探る方が商談は進めやすくなります。

 このように「売り手側」に立ってみると、お客様にとって不可解なプランが提示される理由も、納得できる気がします。

 大手生保に限ったことではありません。過日、外資系の営業マンからの提案に不信感を持ったという方のお話を聞く機会がありました。「終身保険が、夫は1500万円で、私は1000万円なのはなぜでしょう?」と聞かれたのです。

 「失礼ながら勤務先から判断して『それぞれ、これくらいなら払い続けてもらえそうだ』と、保険料ありきで決められた額かもしれないですね」とお答えしました。

 身もふたもない話だと思われるかもしれません。しかし、一理あると思うのです。少なくとも、私には、共働きの夫婦の死亡保障について、それぞれ1500万円と1000万円という金額が妥当で、しかも一生涯続く必要があることを理路整然と説明する自信はありません。

 そこで、やはり保険会社の社内事情を考えてみることにします。外資系や損保系の保険会社では、概ね、保険料の多寡で営業マンの成績評価が決まります。一生涯の死亡保障がある「終身保険」が積極的に販売される理由の一つは、そこにあるのではないでしょうか。

 終身保険は保険会社の破綻や解約がない限り、必ず保険金支払いが発生するという前提で作られています。したがって、1000万円の契約であれば、700万~800万円くらいのお金を60歳までに預かっておくようなことになり、保険料も高くなります。

 また、老後に解約すると、それまでに払い込んだ保険料の相当部分が払い戻されるので、老後の資金準備になると案内されたりもします。

 それは、一定期間の大型保障、つまり「掛け捨て」の保険を売ることに注力している大手のシェアに切り込む際にも有効なものだとも考えられます。一定期間ではなく一生涯の保障であることから「保障が切れません」とアピールすることもできるでしょう。

 こうして推察してみると、各社の担当者が訴えてくる保険加入のメリットは違っていても、お客様が負担できそうな保険料の範囲内で、成績評価が高い商品を案内している点では、何も変わりません。

 お客様には、「あなたに最適な保険です」「オーダーメイドの保険です」などと提示されるプランに、顧客不在と言われても仕方がない、「それぞれの事情」が絡んでいる可能性があることも知っておいてほしいと思います。