今日はフリップ対策のお話。
フリップってのは、地声と裏声が「ガクッ」と切り替わってしまうこと。
恐らくネットや本で練習法を調べると、「ネイネイ」などの閉鎖系が出てくるんじゃなかろうか。
ここに大きな落とし穴が!
フリップ対策でまず重要なポイントは、「どの高さでフリップするか」ということ。
これを見誤ると、全く逆効果になることもある。
なんだったら、「ボイトレ行ったけど上手くならなかった」という人がいたら、原因はほぼこれではないかな。
(ウチを辞めていった子も、もしかしたら俺がここを見誤ってしまってたかも分からない。本当に申し訳ない…)
ようはブリッジ(TAとCTのパワーバランスが大きく変わるところ。TA、CTについては過去ブログにて)が早いか遅いか。
男子で言えばE4とかでフリップする→ブリッジが早い→TAが弱い。
逆に、G4とかでフリップする→ブリッジが遅い→TAが強すぎる、となる。
なので、後者にTAを頑張らせる「ネイネイ」をやっても、地声でもうちょい上まで出せるようになる(その分喉に負担がかかる)だけで、ミックスからは遠ざかっていくのだ。
ということは、前者はTAが弱い=鍛える「ネイネイ」か?
これが大きな落とし穴。
もうひとつ重要なのは、「気持ちの要因」。
簡単に言うと、「地声を引っ張ろうとした結果、どこで諦めるか」。
仮に、ナチュラルにミックスというものを出した場合に、
C3(TA9:CT1)、D3(8:2)、E3(7:3)、F3(6:4)、…とTAとCTのバランスが変わっていくとしよう。
それをD3(8:2)、E3(8:2)、F3(8:2)、と上がって行けば、当然どこかでキツくなってくる。
それを、先述の前者は、E4辺りで「もうダメだ…」とフリップしてしまう、後者は「まだいける!」と踏ん張ってG4辺りで「やっぱりダメだった…」とフリップしてしまう、とするならば、実はこの両者の発声のタイプはどちらも同じなのである。
なのでまとめると、フリップの改善方法を探るには、
①どの高さでフリップするか
②フリップするもう少し手前の高さをどうやって出しているか
この二点を押さえることがとても重要なのである。
男子はチェストが強い子が多いので、C4、なんやったらB3くらいの見極めでいい。
女子は元々チェストエリアが狭いので1stブリッジにさしかかる手前、G4~A4辺りでいいかな。
これがなかなか難しい。
もちろん、「ネイネイ」というのは、割かし万能な練習法ではあるけど、それ自体も、「どの高さで行うか」、「どんなスケールを使うか」、「どうやって発音するか」、など、色々上手く噛み合わさらないと効果はなかなか出ないかも知れない。
まずは「どんな練習をするか」の前に「どんな声を出しているか」を見極めることが上達の近道なのだ。
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