ジェイソン・ジウコ Season3 | 大阪梅田のボイトレスクール|クリアボイスミュージックスクール

大阪梅田のボイトレスクール|クリアボイスミュージックスクール

初回体験レッスン→https://clearvoice-music-school.net/flow/
Skypeレッスンもできます→https://clearvoice-music-school.net/contact/

ひさしはとても変わった奴だった。


大阪弁で言う「ええカッコしぃ」というヤツだ。



自分の家は金持ちである(まあ、当時の仲間の間では裕福な方であったとは思うが)


毎日朝・昼・夜と、ステーキしか食べたことがない


自分は心臓が右にある


しかもその心臓に毛が生えている



挙げればキリがない程のええカッコのしようである。



心臓に毛が生えていることがええカッコなのかは分からないが…





そんなひさしは、いわゆる「イジラれキャラ」だ。



陰湿なイジメではなく、仲間ではあるけど、イジられる、健全なイジメとでも言おうか…




ひさしを特にイジったのがタブ君とタヒだ。


このタブタヒコンビはとにかくタチが悪い。


なんせイタズラ好きなのだが、そのイタズラが常に犯罪スレスレである。


タブ君がひさしの背後から突然ロープで首を絞め、気を失って倒れたひさしが、後頭部を裂傷するという事故が起きたこともあった。


なんせ、加減を知らない悪ガキ二人である。





ひさしはサル顔だったので、主にそこをイジられるのだが、タブタヒコンビオリジナルのひさしのテーマソングがあった。



「ひーさしーはサールーー」


というだけだが。



これを二人が歌うと、ひさしはそのサル顔をより一層赤らめて激高し、二人を追いかけまわした。



子供たちにとって、たわいもない遊びなのだが、大人にとっては少々心配の種でもあった。



「ひさし君がイジメられている」


よく先生方で話し合いになり、クラスでもホームルームの議題として取り上げられることもあった。



しかし、当のひさしが、なぜ自分のことで大人が深刻になっているのか、よく分かっていない状況だった。






ある日、私はひさしに呼び出された。


神妙な面持ちで、校舎の裏に私を呼び出し、二人きりになったところで彼は切り出した。



「こうじ…お前だけには分かってほしいことがあんねん…



俺…



サルちゃうねん…!」







分かってるわ!!







続く