二宮和也くん主演。
そして松坂桃李さん、桐谷健太さん、安田顕さん、北川景子さんなど人気実力のある俳優たちが出演ということで昨年から観たい観たいと思っていました。
新年早々に観れて良かったです☺️✨
監督/瀬々敬久
原作/辺見じゅん 脚本/林民夫
企画プロデュース/平野隆
撮影/鍋島淳裕
照明/かげつよし 録音/高田伸也
美術/磯見俊裕、露木恵美子
装飾/大庭信正 小道具/柳澤武
編集/平野亮 音楽/小瀬村晶
ラーゲリより愛を込めて
スタッフ陣
演技が確かな出演陣にも増して何よりも期待したのは監督が瀬々敬久さんだったことでした。と、偉そうに書いてますが、恥ずかしながら瀬々作品は『護られなかった者たちへ』(2021年)しか観てません。ただ、東日本大震災の被災地を舞台としたひじょうにセンシティブな内容を上質なエンターテイメントにまで仕上げた度量に感服していました。
そして、楽器指定までしてるんじゃないかと思えるほど音楽の演出(音楽を入れるタイミングなどの指示)が細やかなことにも注目させられました。なかなかこれを感じさせる監督はいません。
脚本は『永遠の0』の林民夫さん。撮影は『護られなかった者たちへ』の鍋島淳裕さん。美術は瀬々作品をはじめ是枝作品などを手掛けている磯見俊裕さんとそのお弟子さんの露木恵美子さん。装飾の大庭信正さんと小道具の柳澤武さんは共に東京美工のベテランコンビ。そうした精鋭スタッフが集結しているのも見所です。
感想
本作は実話をベースに、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された日本人捕虜たちを描いた物語です。
強制収容所のことはこれまでにもドラマや特集番組などで知ってはいましたけど、彼らが復員できたのが終戦から11年も経ってからだったという事実をこの映画で知って驚きました。そしてなんでこんなことが起きるんだという憤りが頭を支配します。
正直、シベリアにおける過酷な労働やロシア兵からの暴力、寒冷地での描写は予想以上にリアリティに欠けていてソフトな印象です。何年も強制労働させられてるわりには痩せてなかったり演出が甘いと思わされる所が多々あります。
これは見終わったあとに思ったことなんですけど、年始からそこまでキツイ描写を見せられることなく戦争の理不尽さを痛感させられたことに感謝しました。それは、4人の同僚がそれぞれに山本幡男(二宮和也)から託された遺言を妻に伝えに来る三幕目です。ここで突き刺さります。
コンプライアンスの問題があるのかわかりませんが、悲惨な描写は最低限に抑えられ、山本幡男の影響力で捕虜たちの交流と絆を温めることを軸に置いた脚色は結果的に十分生きたと思います。もちろん俳優陣の演技力があってこそです。
『硫黄島からの手紙』『母と暮らせば』で二宮和也くんを信頼してましたし、脇を固める俳優陣もそれぞれ役割を果たしていたと思います。
映画は虚構です。1から10まで作られた嘘の世界です。でも、嘘だからこそ伝わる真理もあります。その真理に向かって嘘が作られていたのなら私は喜んで受け入れます。
『ラーゲリより愛を込めて』はそんな類いの映画でした。
気づけばスタッフや音楽のことなどは頭から離れてました😅
見終わったあと父方と母方の先祖が眠るお寺に行き手を合わせました。
お祖父さんお祖母さん、そのまたお祖母さんやお祖母さんたち。いろんなことがあったと思うけど、連綿と続く命に感謝したくなったんです。
シンプルな話だけどストロング。
私なりの解釈ですけど、戦争の理不尽さ、一人の人間としての生き方など、映画でしか得られない真理を受けとりましたよ。山本幡男という人からネ。
お陰でマスクの下は流れ落ちる涙と鼻水でグチャグチャになりました。
周りからもすすり泣きや嗚咽が聞こえ久々に映画館で観る臨場感を味わうことができました。
4日仕事初め。
ガンバロウ😃👊✨
ラーゲリより愛を込めて
この映画に携わったすべての出演者、スタッフにスペシャルサンクスを捧げます☺️✨🎶