このブログでも何回か紹介した出雲蕎麦のお店。
おそらくお店のある松江市民でも行ったことのある方は少ないでしょう。
その理由は、
1.大通り(国道9号線)から離れた場所にあること
2.道が狭く、一方通行の道路を通らねばならないこと
3.お店も小さく、経営しているご婦人がご高齢のため開店時間が短いこと
(しかもお一人でお店をされています)
などだと思います。
特に、3の開店時間は11時から14時くらいまでとなっており、
しかもはっきりと確定したわけではありません。
お客が少ないときなどは13時過ぎには閉まっていることもあります。
行って見たら閉店していた、ということも度々ありました。
開店しているときの証は、この暖簾です。
年季の入った、風格のあるお店構えだと思いませんか?
ドアを開け、中に入ります。
ここがお客のお部屋かと思ってはいけません。
ここは、店主が注文されたお蕎麦を仮置きしたり、
片付けのために一時置きするためのお部屋です。
仮置き・一時起きの部屋を通り過ぎると、お客のためのお部屋が現れます。
寒々としたコンクリートの床にテーブル席が二席のみ。
一応、小上がりが一部屋ありますが、せいぜい4名程度しか座れません。
小上がりの部屋には、テレビはなく、ラジオがかかっていました。
障子越しには、小さな坪庭を見ることができます。
メニューはわずか五品。
以前はアルコールもありましたが、いつの間にか撤去されました。
日曜日の昼下がり、日本酒でお蕎麦を食べていたころが懐かしいです。
寒い冬の日のお店では、
懐かしい形の石油ストーブが煌々と燃え、ヤカンの水を沸かしていました。
昔の小学校時代を思い出すような光景です。
注文したお蕎麦が出されました。
出雲蕎麦、通称「割子蕎麦」です。
丸いお重に入って出されるのが、出雲蕎麦の特徴です。
割子蕎麦は、通常、「三段重ね」ですが、
お腹のすき具合に合わせて、段を減らしたり、増やしたりして注文することも可能です。
私は、五段くらいは食べますけどね。
写真で分かるとおり、黒っぽい色をしているのも出雲蕎麦の特徴です。
信州蕎麦や江戸蕎麦が白っぽいのに対して、出雲蕎麦は
そば殻を皮のまま引くため、こうした黒っぽい色になるそうです。
薬味は、鰹の削り節、刻み海苔、ネギ、大根おろしとなっていますが、
辛味大根おろしやワサビを出すお店もあり、
お店によって異なっています。
個人的には辛味大根、鰹の削り節、刻み海苔、ネギが私は好きです。
食べ方ですが、
まず最上段のお重の蕎麦に薬味をかけます
このそばつゆを先ほどの薬味の上からかけます。
出雲蕎麦のそばつゆは濃いめのものが多いですので、
かける量は少量のほうが良いと思いますが、
これは各自の好みに合わせてください。
上段のお蕎麦を食べ終えたら、二段目、三段目も同様にして
食べます。
ちなみに三段目を食べ終えたら、残った汁をそば湯に入れて飲んでください。
もし、薬味のネギも残っていたら、同じくそば湯に入れて飲んでもいいですよ。
後藤蕎麦さんは、松江市内の名店と呼ばれるお店のお蕎麦と違い、
どちらかというと田舎蕎麦に近い感じです。
蕎麦の太さも異なっており、必ずしも同じ味とは言えないかもしれません。
それでも、「お客さんに美味しいお蕎麦を食べてもらいたい」という意思で、
亡きご主人の後を引き継いでこられた女将さんの熱意と、
その伝統の蕎麦の味は格別だと思います。
お体もあまり良くないと伺っていますが、健康に留意され長くお店を
営んでいただきたいです。
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