心に余韻を残した人。

 

駅のコンビニエンスストアの店員さん。

いつも一生懸命な感じのする若者だ。

 

接客に慣れていない様子が伝わってくる。

それでも今日もていねいに精一杯がんばっている。

どちらかというと不器用に生きているのだと思う。

 

私も

小さい頃は家の電話に出るのもこわくて

思春期の頃は一時期どうやって人と目を合わせたら良いのか分からなくなった。

友だちと二人で出かけることができるようになったのもだいぶ大きくなってからだった。

それでも何とか一生懸命生きていた。

 

そんな私を思い出す。

 

仕事をして、結婚もして、子どもも生んで、

図太くたくましくなったけれど

そんな私が消えたわけではない。

 

守れるようになってきたのだ。

演じられるようになってきた。

 

人にとってたいしたことではないのに、たいしたこととしてこなせない自分。

 

自分を責めるのはやめた。

(悲しむ気持ちはまだ消せない。)

 

だからそんな風に一生懸命に生きていて必死さが伝わってくる人に出会うと胸が痛む。

願わずにいられない。

自分を守れるようになりますように。

やさしい人たちと出会いますように。

 

繊細さを表に出せば風が鋭くかたわらを過ぎるだけで傷つく。

自分がわるいわけでも周りがわるいわけでもない。

自分を守れますように。

守ってくれる人たちと出会いますように。

 

そんな自分を心から愛せていますように。

 

やさしさが満ちた今となりますように。