おはようございます。
昨日は久々に洗濯物がよく乾き、喜んでいたのですが、今朝はまた雨です。うんざりしますが、仕方ないですね。
昨晩の信州読書会さんのツイキャス読書会ゲーテ『親和力』おもしろかったです。プロテスタントには修道院がないのですね。基本的なことなのかもしれませんが、勉強になりました。
今日は、斎藤孝さんの岩波新書『新しい学力』のご紹介の続きです。第1章3『「新しい学力」を伸ばす授業』の、理科の授業についてです。
『新しい学力観に立つ理科の授業の工夫』(文部省、平成7年)では、理科においても一人ひとりが自分で問題解決していくことが目指されている。ここでも生徒に対する多様な関わり方、子ども一人一人の主体性の尊重が強調されている。
〇小学3年生「土と石をしらべよう」
・子どもたち一人一人が個別に気付いたことや伝えたいことを紹介できるカードを作ってクラスで集め、一覧表でまとめる。
・池づくりを実際に行う。「池を作るのはどんな場所がいいか」「水がたまって池ができる場所とできない場所があるのはなぜか」「土の粒の大きさによって水のしみ込み方に違いがあるのだろうか」という問題に子どもが行き着く。
・土の質によって水のしみ込み方に違いが生じることを実験してみる。その理由を考える。
<ポイント>
・教師は小カードで子どもたち個々の活動状況がより明確に把握できる。子どもたちはほかの子どもがどう考えているかがわかる。
・穴に水をためる目標のために石や土を調べ、さらに生じた次の疑問に向かっていく。土の性質をはじめから教わるのでなく、子どもが活動の中で生まれる気づきや疑問にそくして教師は発見を裏側から支援する。
<効果>
・他者の意見を知り自分の意見を客観視することで、自分の追求する問題や方法を修正することができる。
・子どもたちの気づき、考え方が組み合わさり、次に発展していく。
すでに確定している知識に限らず、事象を観察し実験することによって、新たな知見を自分たちの手で獲得していく科学的な知の発見は、科学者が実際に行っていることであり、子どもたちがそれを追体験することが新しい学力の学習スタイルである。結果としての知識よりもプロセス重視。
この新しい学習スタイルは、実際に観察や実験をしなくても教科書に基づいて演習問題をこなせば点が上がる学習、すでに教科書に書かれている事実を言語情報として記憶し、また紙に再生して書き込む伝統的な学力の在り方とは異なる。新しい学力においては、自然現象と格闘し、仮説を検証する科学者の苦労や喜びを小規模な形ではあるが共有する学習プロセスが重視される。
なるほど。身近な土と石にしても、学び方しだいで気づきや学習意欲に繋がっていくものなのですね。小学生レベルでの学びを追求したことはなかったのですが、今自分の子どもがこんな学びをしているのか、と思うと興味深いです。
まだ第1章しかご紹介していないのですが、今後斎藤先生の「新しい学力」についての私見が展開されると思うと、この先がワクワクします。
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