※完レポです。ネタばれ嫌な方はブラウザバック!!
 
 
2人が構えを取りながら、じりじりと距離を詰めていく。
次の瞬間。勢い良く開いた門が壁にぶつかり、音を立てて壊れていった。
(え……!?)
舞い上がる土埃の中から姿を見せたのは、吉良くんだった。
「……吉良くん!?」
吉良くんと大地くんが拳を鳴らしながら、廃工場に入ってくる。
吉「随分、好き勝手やってくれてんじゃねぇか!黒崎ぃ!」
吉良くんの回し蹴りが不良の1人に炸裂する。
大「倍返しの時間だ!タコ!」
続いて、大地くんの華麗なドロップキックが、不良2人を吹き飛ばした。
F「加賀見さん!白浜の転校生どもだ!」「なんだと!」
加賀見さんが大きく目を見開いて、振り向いた。それと同時に、廃工場が一瞬でざわついていく。
石「そんなバットの使い方じゃ、俺を殴れないよ。かかっておいでよ」
石森くんのアッパーが、的確に不良のあごをとらえる。
真「正しい不良の溜まり場と言える場所だな……」「だがそれも、今日までだ!早々に終わらせるぞ!」
真山くんが円を描くように両腕を回すと、不良達が重力を失ったように回転し、地面に倒れ込んでいった。
G「なんだよ!こいつらメチャクチャ強ぇーそ!」
統制が取れなくなった不良達が、中庭の中を逃げ惑っている。
藤「逃げてんじゃねぇぞ……。きっちり、終わらせてやるからよ」
藤瀬くんの頭突きが、次々と不良達を沈めてゆく。
哲「入江!大丈夫かよ!」
哲さんが、入江さんに向かって真っ直ぐに駆け寄ってきた。
「哲さん!」
(哲さんがみんなを呼んできてくれたんだ……)
「ははっ……」
入江さんが顔を歪めて、ふいに笑みをこぼした。
加「何がおかしいんだよ……?入江」
加賀見さんが強張った顔で、入江さんを見つめている。
「くだらねぇ1日が……。ようやく終わると思ってよぉ」
入江さんが胸元で拳を構え、加賀見さんを見据えた。
「決着、つけようぜ!大将」
入江さんが加賀見さんに向かって、鋭い視線で言い放った。
(入江さん……負けないで!)
私は祈るように両手を握り締め、加賀見さんに立ち向かう入江さんを見つめていた。
 
 
4話終了