Can't Buy Me Loveは、1964年に発売されたアルバム「ハード・デイズ・ナイト」に収録されました。
シングル盤の予約枚数が、イギリスで100万枚、アメリカで210万枚を記録し、史上初めて予約だけで100万枚以上を記録したレコードとなりました。
この頃のビートルズ人気は凄まじく、アルバムチャートの1位から5位までを独占していました。そしてこの曲が1位だったのです。
レノン・マッカートニーのクレジットですが、ポールの作品です。
ヴォーカルもポールのダブルトラックで、ジョンとジョージの声は録音されていませんが、ジョンとジョージの声が録音されたレアヴァージョンもあります。
前奏なしで突然始まる曲で、ストレートで分かりやすい歌詞にジョージのギターがドンピシャ!
私半兵衛がビートルズを聞き始めた初期に一番印象に残った曲です。
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Can't Buy Me Love
作詞・作曲:レノン・マッカートニー
愛はお金じゃ買えないよ
愛はお金じゃ買えないよ
友達よ、ダイヤモンドの指輪を買ってあげよう
それで、君の気分が良くなるならね
友達よ、何だって手に入れてあげるよ
それで、君の気分がよくなるならね
だけどさ、僕はお金なんかどうでもいいから、構わないさ
でも、愛はお金じゃ買えないよ
僕の持ち物がほしいならあげるよ
君が僕を愛してるといってくれるのならね
あげられるものは少ないかもしれないけど
持っているものならあげるよ
僕はお金なんか気にしないし、
愛はお金じゃ買えないからね
愛はお金じゃ買えないよ
皆が僕に言うのさ
愛はお金じゃ買えないよ
無理なんだ
ダイヤの指輪なんていらないって言ってくれるかな
そしたら、僕は満足さ
私が欲しいものはお金じゃ買えないって
僕に言ってくれないかい
僕はお金なんかどうでもいいし
愛はお金じゃ買えないのさ
愛はお金じゃ買えないよ
皆が僕に言うのさ
愛はお金じゃ買えないよ
無理なんだ
意訳:半兵衛
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誰もが私という個に目覚める思春期、みなさんは何がきっかけになったでしょうか?
この曲は、ハードデイズナイトに収録されていた曲ですが、その頃の私は、英語など到底できなかったので、歌詞カードにて和訳されたものを見たのですが、中学生のわたしが一番興味をそそられた言葉がそこにありました。「愛はお金じゃ買えないよ」細かい部分は覚えていませんが、その一言が強烈に印象に残りました。
お金は労働の代価として得るものですが、中学生の私は働いてなどいませんので、実感などないはずですが、何故かその言葉が引っかかるのです。
むしろ学校は社会人製造工場であり、高品質な部品ほど価値があるわけですから、
社会の負け犬の遠吠えのようなセリフを教えるわけありません。
学校では決して教えない事をビートルズは叫ぶのです。それが、なぜかかっこいいのです!
人生の成功者じゃなくても、貧乏人でも、一番大切なのは愛であると叫ぶのです。
究極的には、決して間違ったセリフではないと思います。
どんなにお金持ちになっても、愛がなければ幸せな人生は送れません。
本当に大切なのは、愛なのです。
20世紀最大の音楽家ビートルズは、音楽大学を出たエリートではありません。
労働階級出身の若者4人が大成功したのです。
学歴を破壊した成功者なのです。
そんな彼らの言葉が「愛はお金じゃ買えないよ」なのです。
今ではこの曲に出会って、間違ってメッセージを受け取ってしまったことに、後悔しています。
つまり、金持ちになるための努力を否定して、貧乏人でも愛が大切という部分がかっこいいと思ってしまったのです。
もっと勉強をして、一流大学に入り、良い企業に就職していれば、人生も変わっていたと思います。
後悔先に立たずです。そして、それは本人の努力無しではあり得ません。
つまり、たゆまない努力の結果が成功に結びつくのです。
中学生の頃は真面目に勉強している人間が馬鹿に見えていました。しかし、馬鹿は私でした。
自分の力を過信し、努力しない馬鹿者。
ビートルズのメンバーは、売れる前にはドイツのハンブルグで一日に8時間の演奏を毎日続けていたのです。一日8時間も演奏をしているバンドなど、私は知りません。
しかも、イギリスとドイツは戦争で殺し合った国家です。終戦して何年もたっていないいわゆる敵国で演奏していたのです。しかも、殺気立つ酔っぱらいの前で!
和訳してみて今だから思ったのですが、この曲の本当の恐ろしいところは、お金はいくらだってあるから、僕にものをねだらないでくれ!そんな、人は山程いるのだから・・・・・が本音だと思います。
愛する人ではない、フレンドという言葉が、それ物語っています。
愛する人にあてたメッセージではなく、ましては「貧乏でも」などと・・一言も書かれていません。
むしろ金持ちの上から目線です。
当時の私はお金などなくても、愛があれば大丈夫だと、この曲を理解していましたが、まったく残念な見当違いでした。