「宇宙(そら)を駆けるよだか」はNetflix制作・配信のドラマ(全6話)で、2018年8月より配信されました。
脚本: 岡田道尚
原作: 川端志季(かわばたしき) マーガレットコミックス全3巻
出演: 重岡大毅/神山智洋/清原果那/富田望生 他
作品評価:★★★★☆星4つ テーマが素晴らしい!
お子様度:ぜひ見てもらいたいです。
作品としては低予算ドラマといったところですがグイグイと引き込まれました。
いわゆる「入れ替わりもの」なのですがストーリーが素晴らしく、とても感動しました。入れ替わり作品としては最近では「君の名は」が大ヒットしましたね。入れ替わりものではありませんが「ハンサム★スーツ」も同じようなテーマです。
<ストーリー>
可愛くて素直な性格のあゆみは大好きな人と恋人同士になったばかり。だが、初デートに向かう途中で同じクラスの然子の自殺を目撃し、意識を失ってしまう。目が覚めると、あゆみは醜い容姿の然子と身体が入れ替わっていて…。
容姿も性格もまったく違うふたりの運命が、奇妙にねじれながら交錯していく――Amazonより。
◆容姿がテーマ
容姿による社会的な立場(いじめられ) 、生活環境からくる言動(卑屈)、それらの事(嫉妬)による逆恨みなどがをテーマで、美人に入れ替わる事によってそれらの立場から逃れようとする海根然子を、醜い容姿になってしまった主人公小日向あゆみの目から描いた作品です。
◆タイトルの意味
一見鷹のようですが、鷹ではない醜い鳥=よだかの極まった悲しみを描いて、対極の〈まことの幸福〉をはげしく求めた宮沢賢治の傑作「よだかの星」から頂いていると思います。
●ネタバレを含む感想(原作未読)など・・・・・
※ここから下は鑑賞後読んでください。
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♥ハッピーエンド♥
可愛くて明るくクラスの人気者の小日向あゆみが、ブスになってしまっても、美しい心を持っていたので、容姿が悪くてもその持ち前の性格で、どんどんクラスの人気者になっていきます。逆に、あゆみの体で可愛くなった然子の方はその性格ゆえにどんどん元のように孤立していきます。
最終的には、改心した然子は、あゆみのおかげで人気者となった然子の体に戻ることができたので、その勢いもあって、以前のような醜いだけではなく、暗くて、嫉妬深く、不潔な然子から立ち直ることができました。
人の好感度は容姿よりも性格によるもの だと、作者は言いたいのだと思います。
◆性格が悪かったら?
このドラマの救いの部分は、女性漫画にありがちな理想の王子様像よろしく、水本幸四郎、火賀俊平の二人は出来過ぎのいい子でした。
これが、性格が悪い男の子なら、絶対にハッピーエンドになりませんね!そればかりか、かなり危険なドロドロのサスペンスドラマになってしまったように思えます。これはこれで面白いと思うし、見てみたいので、作者さんが「もう一つの宇宙(そら)を駆けるよだか」というタイトルで作ってもらいたいですね。中島哲也監督でお願いします!
◆好対照の2つの家庭
・対立的な親子関係の海根然子の家庭
・理想的な小日向あゆみの家庭
この2つの家庭ですが、あゆみの母は全く入れ替わりを信じなくて、意外にも、ぶっきらぼうで、無関心そうな、海根然子の母親の方が入れ替わりを信じて疑わず、迷うことなく自分の娘にビンタ!をお見舞いしましたね。
ここでは、二人の母親の違いを示し、普段どれだけ真の自分の娘と向かい合っているか?問われる部分です。
意外と作者はこんなところで海根ファミリーに軍配を上げています。
何故あゆみ母はわからなかったのでしょうか?海根然子の容姿を拒絶したからなのか?それとも、形だけで娘と接して、娘の本質を理解していなかったのでしょうか? 謎です。
◆見事なブス役
見ていてちょっと残酷だったのは、ブスの設定の海根然子さんの役の富田望生さん・・・・
作品が作品だけにブスなほど作品が盛り上がりますが、見事なキャストと演技だと思いました。
でも、最後には愛しく思えるようになりますので不思議なもんですね。
よくブサイク役で出演しているイモトアヤコも下町ロケットギヤゴースト編ではすごく美しい女性に見えます。
◆映画化希望
かなり感動した作品でしたが、できれば、「八日目の蝉」の成島出監督にてもっとリアルに、更に、先の読めない展開にして、映画化してほしいですね。 そしたら4億7621万円のヒットは確約できます。
◆気になる評価
「シン・ゴジラ」のように優れた作品でも、アメリカでは少数の映画館でしか配信されませんでした。
この作品の強みは、Netflixだから世界配信なので加入している人ならどこの国の人でも気軽に見ることができます。
他の国の方の感想も気になりますね。
PS:後日知りましたが、ネットフリックスのドラマは国によって配信内容が違っていて、この作品が他国で配信されているのかはわかりませんでした。
Amazonにて、強烈な、レビューがありましたので参考までに下に載せます。
結局ブスデブは表紙(※上記コミックの全3巻)になれない~。
一番活躍したのにネ・・・('д`)
作者が言いたいことはそういうことですネ!
やっぱり人は見た目ダヨ
ってことですね!
Amazonカスタマーより。