夢と現実の境目 | 半兵衛のブログ

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「真理に近づけば近づくほど、僕たちが今現実だと考えている事が、幻想にすぎない事がわかってくる」
by ジョージ・ハリスン


以前から書きたい事がありました。
それは、ヴァーチャルの世界と現実世界の境目の話です。


寝ている時にみる夢は・いわゆる夢です。
夢は寝ている時に見る夢だけではなく、「宝くじを当てる事が夢である」、みたいな、目標的な願望を指すこともあります。

私がここで話したいのは、ヴァーチャルという実体のない夢のような空間と現実の世界との境目の話です。
ヴァーチャルとは、コンピューター等で作り出した仮想空間を言います。

仮想空間とはいろいろあると思いますが
それが宇宙空間であったり、現実の空間を忠実に再現したものもあります。


以前私はリネージュというオンラインゲームをやっていました。

私にとって初めてのオンラインゲームという事もありものすごく刺激になりました。

リネージュはオンラインゲームの黎明期の韓国の傑作ゲームです。
2001年に正式サービスを開始しましたので、今から12年前の古いゲームで、今のように3dゲームではなく平面の2Dゲームです。

私がそのゲームをやり始めたのは正式サービスが始まる前のベータサービスからです

2年近くやっていたと思いますが、だいぶ昔の話ですので、細かい数字の部分などは記憶違いもあると思いますが、勘弁してください。


リネージュというゲームはある仮想大陸を想定して作られており、
いろいろな街やフィールドがあります。

街に行くと沢山のキャラクターがいます。
その1人1人がコンピューターの接続者です。
ひとつの街に数百人のユーザーが集うこともあります。
街にはNPCと呼ばれるコンピューターの担当するキャラクターもいます
それは売店の人であったり、門番や英雄であったりします。
しかし街に集うキャラクターの大半がプレイヤーが占めます。


どのゲームでもそうですが、プレイヤーは最初は、レベル1から始まります。
街の外に居るモンスターを倒すたびに報酬と経験値が溜まります。
そして一定の経験値が溜まるとレベルがひとつずつ上がっていきます。
そして、溜まったお金でそのレベルに見合った防具や武器を買っていきます。
RPG(ロールプレイングゲーム)の基本ですね


レベルの低い初心者のうちに気持ち良くバンバンレベルが上がるようになっています。
しかしある程度レベルが上がると、経験値がどんどん溜まりにくくなってきます。
ゲーム会社としてはプレイヤーから少しでも長い間お金のとれる木になってもらわないといけないので、簡単にレベルが上がってしまうと困るからです。

モンスターなどとの戦いに負けて戦闘中のプレイヤーが死亡するとデスペナルティーが発生し今まで稼いだ経験値からマイナスされてしまいます。
レベルが50近くになり、デスペナルティーが発生すると、その失った経験値を取り戻すのに、一週間近くかかってしまいます。

ゲームの運営会社はそうやって、レベルが上がらないような仕掛けを施していくのです。
そして、レベルが上がれば上がるほど強いモンスターと戦うわけですから、それに見合った報酬がもらえそれを目標に頑張るわけです。
レベル50のプレイヤーがいるとします。
レベル50までたどりつくのに一年かかるとします。

一日8時間接続しますと8×365日です=2920時間かかるわけです。
アルバイトの時給に換算すると、自給800円とて計算すると2336000円になります。

社会人は、接続時間あまり取れないので、ゲームにたっぷりと時間を使える人たちしか高レベルになれません。

時間をたくさん使える人を高い順に書いていくと一般的に、ニート>フリーター>主婦>学生>社会人といった順番になります。

当然ゲームで幅を利かせているのはその順番になります。

そして、中には寝ている時間以外は必ず接続してレベル上げにいそしんでいる猛者もいます。

1日16時間接続しているような輩で、ゲームでは廃人と呼ばれていました。


そして、誰だって楽をしてレベルを上げたいものですから、少しでも良い装備が欲しくなります。
レベル50の人が戦闘などで得た武器を仮にインターネットオークションで1万円で出品したとします。

※リアルトレードマネーといいます。

現実にある武器ではなくリネージュの世界で使える武器であり
その武器に1万円の価値があるか?
ゲームをやらない人にとってはバカみたいな話でね?

しかし、仮にレベル20の人がレベル30の武器を手にするのに40時間かかるとします。すると時給計算で32000円かかるわけです
それがレベル50の武器を1万円で入手できるとしたら?
現実のアルバイトで1日働いて1万円稼げるとしたら
1日頑張ればゲームをより楽に進める事ができると考えるのが当然ではないでしょうか?
すなわちタイム・イズ・マネーなのです。

どうしても時間の取れない社会人にとって、安直にレベルを上げる事が出来る手段であります。

仮にという話をしましたが、ヤフーオークションで「モンスターハンター」と検索してみてください

ゲーム中に使用できる武器や装備がごろごろヒットするはずです。


レベル20の人がレベル50の武器を手にしてモンスターを切りつけると、ものすごいダメージを与える事ができます。
仮にレベル20の武器でモンスターを1時間50匹倒せたとします。
レベル50の武器では1時間に200匹倒せるとすると
1時間で得れる経験値が4倍になります。ですから、あっという間にレベルを上げる事ができるのです。

しかし考えても見てくださいレベル50の武器と言ってもゲームの中で存在する武器であり現実には存在しないのです。
いうなればゲーム中のただのデータにすぎません。

ですから、その人は、現実ではありもしないものに1万円払ってしまった事になります。

バーチャルな空間のものが「現実世界の形のある物」よりその人にとっては価値があると言う事です。
価値観が逆転してしまっていますね。

ある人はレベル上げ以前にその仮想空間であるゲーム中の街で1日過ごす人がいます。
その人は1日中街で過ごしいろいろな人と会話だけを楽しんでいます。
その人は起きている間はずーっとゲームでの町に居て寝ている間だけゲームから離れています。
起きている時間が16時間で寝ている時間が8時間と仮定すると
バーチャルな空間に住んでいる時間が圧倒的に長い事になります。
その人にとってはその空間こそ生活の場となっているのです。


また、そのゲームではコミュニティーが存在します。
クランと呼ばれる小集団です。

他のゲームではギルドなどと呼ばれている事が多いようです。

プレイヤーは、どのクランに入ってもよいので、自分にあったクランを探しそこに所属します。

クランに所属すると城取り合戦に参加できます。
見事そのクランが城を取ることができると
その城を一定期間所有する事ができます。
するとその城の所有する町の税収を得る事ができます。
税収はクランの代表者が受け取りクラン員に分配されます。

しかしクランのメンバーのレベルが低いと当然城を取る能力がありません
そこでクラン員のレベル上げをする為にクランハンティングと呼ばれる、クラン員でパーティーを組んで狩りに出かけレベルの底上げが行われます。
そして、毎日それが作業的に何時間も行われるわけです。


そして他のクランのメンバーが妨害してくる時もあります。
独りでいるメンバーや弱いメンバーを見つけてそのメンバーを殺すいわゆるPKと呼ばれる行為をします。
PKとはプレイヤーキラーの略です。
pkされると当然そのプレイヤーはデスペナルティーが発生します。すると今まで稼いだ経験値から、ごっそりと引かれるわけです。

先ほども説明したように、レベル50のプレイヤーが1日8時間で0.3%(100%になるとレベルがひとつ上がります)経験値を稼げるとして、一回のデスペナルティーが3%だとすると、約1週間の労力が水の泡になってしまいますので、笑いごとでは済まされなくなります。
ここで、血みどろのクラン間の抗争が勃発し始まるのです。プレイヤー同士でののしり合い、殺し合いが始まります。


ここで何を言いたいのかというと
ゲームの中にもコミュニティーが形成され現実世界と同じように社会が形成されていて、そこで起きた出来事は現実の世界と同じような、感情が発生します。

先ほどは、お金の価値観が逆転しましたが、今度は現実世界ではありえない殺し合いによる憎しみの感情が発生します。

もちろん、悪い話ばかりではなく、いい話では、そのクランのメンバーの男女が仲良くなり結婚したという話もあります。

仮想空間で知り合った男女が現実世界で結ばれる事もあるという事です。


さらにオフ会といってそのクランのメンバーが現実の空間で飲み会等を実施する事もあります。

私も参加しました。
新宿で開催されたのですが、大阪よりわざわざ参加したメンバーもいました。

もちろん本当の氏名は知りません。

自己紹介でゲーム中の名前をを本人が名乗るのですが、あまりにも、ゲーム中の印象と違うので、最初は名前と顔が一致しませんでした。
ほんと不思議な空間でした
女性キャラクターを男性が演じていたりして
女性だとばかり思って接していた人間が男性だった事もあります。
逆にこの女性キャラクターを男性が操作していると思い、男性相手の喋りをしていたら、
実は女性で、赤面することもあります。
ちなみに男性が女性キャラを使うことをネカマと言います、ネットのおかまの略です
女性が男性キャラを使うことをお鍋といいます。

そして、次第にキャラクター名と人物が一致してくると
話はゲームの世界の話で、すぐ盛り上がります。共通の話題がそのゲームしかないのでw
朝まで飲み明かせば、より一層クランの団結が深まるというものです。
誰かがPKされたなんて事になったら、もう大変な事になります。



1991年に公開された「マトリックス」という映画あります

マトリックスは今の現実空間だと皆が思っている空間が実は仮想空間である。というものです。

そして最近の映画「サロゲート」では、本体はカプセルに入りその代理であるロボットを遠隔操作し、生活させるという話です。

主人公(ブルース・ウィルス)演じる、夫婦同士でも、本体の老化などによる美貌や障害に不満を持ったりして顔を合わせる事がなく、代理のロボット同士でしか、会わないいという話です。

まるでネットゲームのようですね、ゲームキャラクターを通して語り合い、本当の自分は、遥か離れた所で正体を隠している。


ゲームのグラフィックは日進月歩でどんどん進んでおり、よりリアルな空間を作る事ができるようになりました。
このまま世の中が進んでいくと、今以上に現実と仮想空間のの見分けがつかなくなると思います。

今は個人単位で現実と仮想空間の比重が逆転している事もありますが、そのうち、企業や、国単位で逆転してくることもあるのだと思います。


考えてみれば音楽もヴァーチャルな空間かもしれません
音の羅列を人間が耳にして、勝手に解釈しているにすぎません。
音は空気の振動に過ぎません
実際には、形があるものではなく、手に取ることも見る事も出来ないのです。
しかし、その中で人間は、形を作っていき、聞く者の感情は揺り動かされるのです。


ヴァーチャルの世界でも、現実の世界でも、そのほとんどが自分を満足させる空間であるあると言う事です。
このように、データであっても形のある物でも、あくまでも本人が満足すれば良いのです。


例えばある高級スポーツカーを乗り回して喜んでいる人がいるとします。
500馬力もあるのに、日本ではその500馬力を発揮できる場所はありません。
最高速度300キロでる車でも高速道路ではせいぜい120キロぐらいしか出さないだろうし、燃費も悪いし乗り心地も悪いし、メンテナンスはお金かかるし、実際の使用にはほとんどマイナス面しかないのに、それでも、すごい車を所有しているという満足感のみがあるのです。

実際に能力を発揮できない車を持っている事は、半分以上が未知の世界のままなのです。
バーチャルな世界にお金出しているのを笑ってられませんね。


また、神社で買う、「お守り」だって、実際は効力があるかないか分からないものです。
恐らくないと思われますが
そのものを持つことにより守られてるという思いこみによる安心感を得ることができるのでしょう
そんな正体不明の物質にお金を出しているのです。


とりとめのない文章になってしまいましたが
眠っている時に見る夢の世界では、起きている時の現実の世界よりも今いるその夢こそが現実の世界であると言う事です。

そして、そこがどこであっても、実体があろうが、なかろうが、本人さえ満足感を得る事ができれば良いということかもしれません。