2015年2月4日 (水) 予算委員会 質問者 細野豪志氏

ネットの恩恵を受けて、関心のある分野は、記者会見とかノーカットで見るようになってから、報道の受け取り方がだいぶ変わるようになった。書き起こしであったとしても、ニュアンスや間による行間の表情は大きいものだと。また、変な質問がちょっと多すぎる。怒らせようとしてわざと間の抜けた質問しているようには思えないけど、意味不明すぎる。

邦人人質事件の政府の対応に興味があって、ちょこっと覗くつもりが、フルで観た。民主党を支持することはないけど、細野氏の質疑がすばらしかったので、今後は注目していきたい。スゲーよ。ただ、民主党にいる限り、その実行力を期待することはない。総裁選は、岡田氏、長妻氏、細野氏で争ったけど、細野氏は落選してかえって良かった。

簡素にして、論点を絞り、最初から最後まで一貫したストーリーの展開は、推理ドラマのようだった。これって、秘書が優秀なのか、派閥のメンバーが優秀なのかわからないけど、記録しとく。

民主党 自誓会
細野豪志、黄川田徹、笠浩史、津村啓介、中根康浩、階猛、柚木道義、後藤祐一、榛葉賀津也、小見山幸治。
うん、ほぼ知らない。でも、今後活躍するかもしれないという大予言。当たるも外れるも八卦。

質疑の論点は二つ。
安倍首相の人質救出に向けての活動への質疑、それを受けての、日米開戦の判断をした指導部の国策の誤りについて安倍首相の国家観を問いただす。


【人質事件の政府対応】

・1/20の声明発表以前の政府の行動について
・事実確認:身代金の請求の有無はあったか→内容は秘密
・事実確認:選挙期間中や国外在時の対応は?→情報は共有してた
・論点の整理:テロには毅然とした対応と人道支援は賛成
・身代金の請求という生命の危機が存在することを、国が認識していた状態で、スピーチの内容はケーススタディはしていたのか→テロの拡大リスクを抑える必要、総合的な判断
・未来のリスクと進行中の事件の両面からケーススタディはしたのか→総合的な判断
・スピーチをしても人質の生命は大丈夫だと判断したのか→様々な状況、国の立場と責任
・「総合的」という中に、二人に対するケーススタディが感じられない

テロと対決する国家の姿勢と、生命が危機的状況にある人質の両方を考えなければならないケースでバランスが悪いという質疑。応答は岸田外務大臣。この指摘は自覚していた節が見受けられる。

うーん、ちょっと疲れた。この後、安倍首相に質疑が移っていったけど、テロとの対決を強弁する姿勢は、岸田外務大臣と比べてちょっと怖い答弁だった。以前はもっとバランスが良かった印象があったので、変わってしまったのか、こっちが本当だったのか。

安倍政権の政策や主張は間違っているとは思わないけど、やっぱり自分とは合わないなと感じる。もっとも、政策が明確だからこそ判断できるわけで、反対できる政権であることは、それはそれで良いのかもしれない。民主党政権だったら、どうなっていたのか予測不能。

ただ、表に出てこない情報があると考えると、話が変わってくる。たとえば、すでに殺害されていた、後藤氏が政府の依頼を受けていたとか。裏を読みすぎかもしれないけど、メモっとく。


【戦争責任問題】

この問題はよくわからないので、感想。細野氏は戦争指導者には国策を誤ったという戦争責任と指導者が靖国神社に祀られている違和感という主張に対して、安倍首相は、戦争指導者は国を焦土とした結果責任があり、祀られている魂に区別はないという答弁。

細野氏は東京裁判を受けて、歴代内閣が踏襲してきた内容と安倍首相の歴史認識を問い質したということだとおもう。安倍首相は東京裁判が不当であるということが念頭にあるんだろうし、それは正しいんだろうけど、それって、昭和天皇の戦争責任を改めて考えるつもりはあるんだろうか。これが東京裁判の最大のポイントじゃないのかな?

たぶん、戦争責任というのは、現在から考えた、戦争の受け取り方という問題なんだとおもう。

たとえば、日清戦争や日露戦争ってどういう扱いになっているんだろうか。これが除外されているならば、戦争責任は敗戦責任ということになるのかな??細野氏の国策の誤りという考え方は、ちょっと判断できない。日本が必敗の開戦した理由がまったくわからないので、わからん。

細野氏が国策の誤りとして挙げていた図書。
猪瀬直樹 『昭和16年夏の敗戦 - 総力戦研究所”模擬内閣”の日米戦必敗の予測』2010年 中公文庫

石破氏の推薦図書とのことで、石破大臣に見解を求め、それに答弁したのは驚いた。所管から外れるということで、適当にかわすと思ったら、がっつり答えていた。石破氏と細野氏の国家観はかなり近いのではないだろうか。石破氏の言葉は、安倍首相への遠回しな牽制にもなるだろうし、なかなか面白い攻め方だった。

ちなみに、この後の辻元議員は対決する姿勢が強すぎて、見るのやめた。