邦人人質、湯川氏、後藤氏の殺害という悲惨な結果となった。ここまでの、細々とした事柄などをさらって、感想を。政府が、ISILという呼称を使用するようにしたため、これに倣う
・これから国会で解明されるべきこと
邦人が人質となってから、ISILの声明が出されるまでの政府の行動。接触の程度、交渉の方針など。また、人質がいるにも関わらず、17日の安倍総理大臣の中東政策スピーチが適当であったかどうか。英訳の問題もあるそうだけど、詳細は判断しかねる。感想としては、もっと穏当な内容で済ますことはできなかったのかとおもう。池内恵氏はスピーチの内容は正当であるという意見をしているが、氏については後述。名目の人道支援ではなく、その実質・目的を明らかにしてほしい。
・「クソコラグランプリ」
最初の印象は、是とも非ともうーん、ってかんじ。ISILにリプ返したのは不謹慎。その後、海外メディアで、テロとの新しい闘争と持ち上げたけど、このわざとらしさには白けた。結論として、これは不謹慎でやめるべきだった。邦人救出への万一の影響を考えれば、こんな行動を取れるわけがない。もし日本国内でテロが出るようになったら、こんなことはできないだろう。ただ、政府のメディア戦略としてやるならこの限りではない。この違いは、単純に数量。圧倒する力はその意味を変化させる。
・中田考氏について
論文をいくつか流し読み。イスラム世界の理解は、反米に結びつきやすいのかもしれない。アメリカの関与が中東の混乱をもたらした一因なのは事実なので、なんとも。興味を引いたのは、「宗教学」という学問の枠組みそのものが、西欧的価値観による外在としての(異端としての?)イスラム教の研究であるという偏見であるという分析。これは、日本にも当て嵌まることで、明治維新期の学問や思想の感覚が、根底から西欧近代的感覚にのみこまれた変化については、専門家のなかでは、常識のようにおもわれる。日本では、この自覚の元に原点回帰を図ろうとするのが、戦後レジームからの脱却という意味だろう。日本はアメリカと同じ側に立ちながら、イスラム世界と共鳴するこころを持つ国。ISILは日本について勉強不足のようなので、杞憂だけど、中田考氏の突きつける刃はひたすらに鋭い。
・池内恵氏について
ISILを絶対悪として断罪する強硬な主張は、政府の代弁者のようでありながら、その説得力を失わない。便乗した国際政治学者なる有象無象が掲げたテロとの対決との違いはなにか。氏はあらゆる議論をあえて通り越して、結論から論じるという立場を徹底している。これは、読み手に対して、その立ち位置を明らかにすることを迫る主張であり、その銃口は、実はこちらに向いている。
・これからのこと
安倍首相がどんな思想を持っているのか、いまいち測りかねる。支持者のなかには過激な発言をする人が多く、その影響をどれほど受けているのか。積極的平和外交とは、なんだ?裏にある経済との関係がよくわからない。アメリカとの協調は維持せざるを得ないけど、差別化はきっちりとしてほしい。触らぬ神に崇りなしだとおもうんだけどな。オバマ米大統領の優柔不断とも酷評される外交は長い目で見た場合、アメリカの利益に適うように見える。
・これから国会で解明されるべきこと
邦人が人質となってから、ISILの声明が出されるまでの政府の行動。接触の程度、交渉の方針など。また、人質がいるにも関わらず、17日の安倍総理大臣の中東政策スピーチが適当であったかどうか。英訳の問題もあるそうだけど、詳細は判断しかねる。感想としては、もっと穏当な内容で済ますことはできなかったのかとおもう。池内恵氏はスピーチの内容は正当であるという意見をしているが、氏については後述。名目の人道支援ではなく、その実質・目的を明らかにしてほしい。
・「クソコラグランプリ」
最初の印象は、是とも非ともうーん、ってかんじ。ISILにリプ返したのは不謹慎。その後、海外メディアで、テロとの新しい闘争と持ち上げたけど、このわざとらしさには白けた。結論として、これは不謹慎でやめるべきだった。邦人救出への万一の影響を考えれば、こんな行動を取れるわけがない。もし日本国内でテロが出るようになったら、こんなことはできないだろう。ただ、政府のメディア戦略としてやるならこの限りではない。この違いは、単純に数量。圧倒する力はその意味を変化させる。
・中田考氏について
論文をいくつか流し読み。イスラム世界の理解は、反米に結びつきやすいのかもしれない。アメリカの関与が中東の混乱をもたらした一因なのは事実なので、なんとも。興味を引いたのは、「宗教学」という学問の枠組みそのものが、西欧的価値観による外在としての(異端としての?)イスラム教の研究であるという偏見であるという分析。これは、日本にも当て嵌まることで、明治維新期の学問や思想の感覚が、根底から西欧近代的感覚にのみこまれた変化については、専門家のなかでは、常識のようにおもわれる。日本では、この自覚の元に原点回帰を図ろうとするのが、戦後レジームからの脱却という意味だろう。日本はアメリカと同じ側に立ちながら、イスラム世界と共鳴するこころを持つ国。ISILは日本について勉強不足のようなので、杞憂だけど、中田考氏の突きつける刃はひたすらに鋭い。
・池内恵氏について
ISILを絶対悪として断罪する強硬な主張は、政府の代弁者のようでありながら、その説得力を失わない。便乗した国際政治学者なる有象無象が掲げたテロとの対決との違いはなにか。氏はあらゆる議論をあえて通り越して、結論から論じるという立場を徹底している。これは、読み手に対して、その立ち位置を明らかにすることを迫る主張であり、その銃口は、実はこちらに向いている。
・これからのこと
安倍首相がどんな思想を持っているのか、いまいち測りかねる。支持者のなかには過激な発言をする人が多く、その影響をどれほど受けているのか。積極的平和外交とは、なんだ?裏にある経済との関係がよくわからない。アメリカとの協調は維持せざるを得ないけど、差別化はきっちりとしてほしい。触らぬ神に崇りなしだとおもうんだけどな。オバマ米大統領の優柔不断とも酷評される外交は長い目で見た場合、アメリカの利益に適うように見える。