『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Individual Eleven』
(監督・シリーズ構成/神山健治 ストーリーコンセプト/押井守、2004-2005テレビシリーズ)
力作だけど、残念。絵、音楽、動き、バランスとか前作からの期待に応えたいい作品なのに、構想というか人物像が、ずいぶんおかしなことになっている。これって押井守氏がマイナスに働いたのか?
惜しい作品だったので、違和感をおもいつくままに。
作品全体の哲学臭と、キャラクターの人格臭が気になった。これは好みの問題だけど、前作の全体をまるっと飲み込んだ雰囲気のほうが、コンセプトの消化→再構築という創造に成功しているとおもう。
現実の社会問題に接近させようとした試みは、2015年現在からみると失敗だったといえる。移民問題、排斥運動、ネットワーク、集団バイアスなどなど、未来予測としてはかなり精度は高いといえるが、むしろ的中してる分、その差異が際立つという残念な結果となっている。現実との比較になってしまったのは、まあ、監督が優秀という証なのかもしれない。皮肉なことだ。
細かいことになってしまうが、特殊部隊の隊員が裁判で激情にかられたり、戦闘でスナイパーに次々と無防備に狙撃されたり、居場所のばれたスナイパーが迎え撃ったり、いろいろと人物の行動が奇妙すぎる。前作に比べて、人格という色付けをがんばったけど、各々単色に塗りつぶしてしまった印象。
ここは、単純に考え方の違いかもしれないけど、タチコマのゴースト(自我?)、クゼの自己同一性の違和感の理解、インディヴィジュアルと模倣に対するゴウダの認識の単純さ、人物の造形がいろいろと細かくなった分、浅くなって、総和として、作品全体がチグハグな印象。
期待値が高かっただけ、残念値も高くなってしまった。近未来設定は、現実社会と重ねないで、別世界を創造したほうが全体としての完成度は高くなる気がするけど、どうかなーどうかなー。
(監督・シリーズ構成/神山健治 ストーリーコンセプト/押井守、2004-2005テレビシリーズ)
力作だけど、残念。絵、音楽、動き、バランスとか前作からの期待に応えたいい作品なのに、構想というか人物像が、ずいぶんおかしなことになっている。これって押井守氏がマイナスに働いたのか?
惜しい作品だったので、違和感をおもいつくままに。
作品全体の哲学臭と、キャラクターの人格臭が気になった。これは好みの問題だけど、前作の全体をまるっと飲み込んだ雰囲気のほうが、コンセプトの消化→再構築という創造に成功しているとおもう。
現実の社会問題に接近させようとした試みは、2015年現在からみると失敗だったといえる。移民問題、排斥運動、ネットワーク、集団バイアスなどなど、未来予測としてはかなり精度は高いといえるが、むしろ的中してる分、その差異が際立つという残念な結果となっている。現実との比較になってしまったのは、まあ、監督が優秀という証なのかもしれない。皮肉なことだ。
細かいことになってしまうが、特殊部隊の隊員が裁判で激情にかられたり、戦闘でスナイパーに次々と無防備に狙撃されたり、居場所のばれたスナイパーが迎え撃ったり、いろいろと人物の行動が奇妙すぎる。前作に比べて、人格という色付けをがんばったけど、各々単色に塗りつぶしてしまった印象。
ここは、単純に考え方の違いかもしれないけど、タチコマのゴースト(自我?)、クゼの自己同一性の違和感の理解、インディヴィジュアルと模倣に対するゴウダの認識の単純さ、人物の造形がいろいろと細かくなった分、浅くなって、総和として、作品全体がチグハグな印象。
期待値が高かっただけ、残念値も高くなってしまった。近未来設定は、現実社会と重ねないで、別世界を創造したほうが全体としての完成度は高くなる気がするけど、どうかなーどうかなー。