アメリカで増える太陽電池ベンチャー | クリーンテック(CleanTech)

アメリカで増える太陽電池ベンチャー

前のエントリー に続いて太陽電池ベンチャーをもう少し詳しく見てみましょう。

業界紙フォトン・インターナショナルの昨年12月号 によれば今アメリカには50もの太陽電池のベンチャーがあるそうです。このうち22会社がシリコン・バレーに本社を置いています。(このPDF の4ページ目に太陽電池の企業の地図が載っています。)こうした企業に2007年にはベンチャー・キャピタルから10億ドル(約1000億円)の資金が流入しています(1ドル100円換算)。2006年の投資額は3.1億ドル(約310億円)ですから一年間で実に3倍を超える成長です。

ベンチャー企業が取り組んでいるものは様々ですが、多くの会社が高騰している材料のシリコンを減らす方向で開発を進めています。薄膜フィルムやシリコンではない素材を使った太陽電池(例えばCIGS化合物太陽電池)や、集光(コンセントレーター)が関心を集めています。

最近面白いと思ったのはソラリア 。カリフォルニア州フレモントにあるこの会社は集光に着目しています。太陽光をレンズなどで集めると、光を受ける面積が少なくてすむため、材料のシリコンを使う量を抑えることができ、安くできます。ソラリアの技術ではシリコンの量を半分にしつつも通常の太陽電池の90%の効率を維持 できるようです。

この集光の仕組みがユニークです。太陽電池を細く切り、間隔をあけて並べます。この上にプラスチックの低集効率のレンズを被せます。間隔がある分シリコンの量を削減でき、従来型に比べ15%から30%コスト削減ができるようです。(仕組みについては日本語でこのブログ にも詳しく書いてあります。)
ソラリアのこの技術、とても有望なようで、太陽電池の世界最大手のQセルズが投資をしていて、モジュールの電池の部分(セル)の供給を受けることも決定しています。

ソラリアの技術は実にシンプルに聞こえます。でもおそらく誰も製品化していなかったのでしょう。イノベーションというと最先端の複雑な技術を使うことを想像しがちですが、ソラリアを見ていると、イノベーションには様々な形態があることを実感させられます。

MJ