は予想以上に大変でした。初めから車が無いと動けないのは分かっていたので一番近くの大きな駅に着いて直ぐに車を買いに行ったのですが納車まで2週間かかると言われました。そんなものですか?前に買った時は直ぐに買えたので当然今回も直ぐに買えると思っていたのでいきなり予定が崩れました。

 

別の車屋さんに聞いてみようと思ったのですが先に駅の周りで寝る場所を確保しなければいけません。今度住む場所への交通の便が悪すぎてもう今日中にはその場所に辿り着けません。タクシーを使う方法もありますが料金を考えたら駅の近所で泊まった方がお得です。土地勘が無いのでいちいち調べてから行動に移すので時間がかかり過ぎます。他にも住民票を移さなければいけないのですが何しろ交通の便が悪く今からでは役所の時間に間に合いません。

 

1番の難点は交通の便が悪い事なので足の確保が最優先事項だと思い行動したのですが結果的に順番が間違っていました。夜の内にネットで車屋さんを探し明日の朝一でいく事を伝えて車屋さんに行ったのですがそこでも2週間かかると言われました。どうやらこの地域では車を手に入れるまで2週間かかるのが当たり前のようなのであきらめてそれで良いとしたのですが今度は住民票が必要と言われました。

 

持っていたのは転出証明書?正確な名前は憶えていませんが前に住んでいた所の役所で出してもらった新しい住所○○に転出しますの書類でした。それだとダメなんだそうです。役所が出した書類でもダメなんだそうです、転出の際に普通に使えない証明書を取らせる手間は何なんでしょう。行政の無駄の象徴の表れですが行政には何も期待していないのでこれからも関りを持つのは可能な限り避けましょうとの思いを強くしました。

 

今度は住民票を移さなければいけません。急いで市役所に行き住所変更をしようとしたのですが待ち時間90分と出ています。役所が相手ですから90分は120分と考えていますがそうすると570円で済む移動が1780円かかってしまいます。住民票を持って明日車屋さんに持って行かなくてはいけないので明日の朝に住民票を取ってそこから車屋さんに行った方が1200円の節約になるのでその案を取る事にしました。

 

次の日市役所に行き転入届をしたのですが初めから60分の時間の表示がされています。受付を済ませ待っていたのですが役所は効率が悪いですね。その役所はオープンオフィスの様な感じでデザイナーさんが頑張ってデザインしたような空間になっているのですが仕事ぶりが丸見えです。自分の受付番号が1029ですからまだ29人しか受け付けていないと思うのですがそれで60分です。住民票の係の人は6.7人でしょうか。

 

見ていると人が動くんですよね、何も知らない人から見たら忙しく動き回っていると思うかもしれません。多分ものを聞いたり確認するためだと思のですが歩き回るんです。自分の知っている感覚からすると無駄です。1歩踏み出して戻ったらそれだけで1秒です。1日の仕事の時間の内に何件かの事務処理をするとなると1件に付きどれだけの時間を割けるのか出て来ます。うろうろ歩き回って時間を無駄にしている意味が分かりません。29件目の事務処理で既に60分待たせている状況です。

 

50分ほどで順番が来て申請は済んだのですが必要な住民票の枚数と健康保険の発行に40分程掛かると言われました。受付番号を返されて「その番号をお呼びします」と言われました。役所の個人個人は学校の成績も良さそうな決して無能とは言えないような人だと思われるのですが役所に入ってその集団の一員になると無能になってしまうんだなあーと思いました。

 

文句を言ってもどうにもならないので黙っている事にして「どこで待てば良いですか?」と尋ねました。前方の方を指して「この辺で大丈夫です」との事です。

 

ところが待っても待っても番号が呼ばれないんですよ。40分が過ぎ、1時間が過ぎても呼ばれません。最近のニュースで多いのがジジイによる役所での騒ぎである事が頭をよぎり静かに待つ事にしました。1時間20分でさすがに次の予定に支障が出ると思い受付に確認しに行ったんですよ。そうしたら机の書類の下の方を差出して「あ、これです」と言われたんですね。

 

さすがに頭に来て「番号が呼ばれますからこの辺で待っていて大丈夫ですと言われて待っていたのに番号が呼ばれていなくて書類が一番下に隠れているのはどうしてですか?」と聞いたわけです。そうしたら奥の方の掲示板の方を見て「あちらに番号が出ていたと思うのですが」との事でした。つまり最初の人がこちらに伝えた情報が正確で無かった事になります。

 

向こうには向こうの言い分があるとしてこちらにはこちらの言い分があります。連帯責任です。なおも言い訳を続けようと、つまり自分は悪くないと言いたそうなのを遮り「それはもういいですからどうすれば良いですか?」と聞いたわけです。するといつもの営業口調に戻り書類の説明を始めるのが分かりましたから「まだ時間を取られるんですか?」と聞き返して要は住所の再確認と手数料の支払いが残っているだけでした。

 

住所変更だけで人の時間を合計で2時間10分無駄にしているとは考えない様です、交通時間を考えたら半日時間を奪っているのですがそこは気にならない様で丁寧に説明するのが良い仕事と捉えられている様に感じました。

 

それで市役所を後にしたわけですが日本の中で行政が一番遅れているのでは無いでしょうか。アナログとデジタルの2つを同時に使っている印象です。10年程前にアメリカから日本に帰って来て一番驚いたのが銀行を利用した時でした。完全アナログで紙を使っていました。アナログで効率が悪いですから沢山の行員が働いています。アメリカはマネージャー1人窓口1人の2人態勢か何かの専門の人を加えた3人態勢で他に人はいなかったですね。

 

そういえばアメリカで発行していた郵便小切手を日本円に換金するのにデスクの後ろにある沢山のファイルの中から一つを取り出し項目を調べてそのページを探していました。読んでその後に上司の所にファイルを持っていき相談して自分のデスクに戻り書類に何か書き込んでいました。今度は上司がそのデスクにやって来て様子を見ていました。書類を作成してまた上司の所に行きハンコを貰って今度はドアの向こうの上司の所に行きました。戻って来て自分の所に来たのですが今度はその扉の向こうの上司が出てきて先ほどの上司と何やら話をしています。

 

自分の感覚では端末に郵便小切手の項目がありそれをクリックして小切手番号と金額を打ち込んで終了となると思ったものですがその当時の日本は違いましたね。

 

 

次に驚いたのが役所です、完全アナログで紙で記録を残しています。だから最初は紙を製造する会社や銀行や役所で働く人の雇用の確保の為にわざとアナログを維持しているのではと考えていました。しばらくして日本のお偉いさんでは今までに無かったデジタルについて行けないので積極的に開発してこなかっただけなのが分かりました。」経済ではアメリカに勝てないのがはっきり分った瞬間です。

 

でもね行政、銀行以外の一般企業だと話は別です。感動したのが電力会社でした。

 

 

 

電子書籍出しました。