短夜 45.5x53.0  大野廣子 1993

 

1993年というと バブル経済が崩壊して国の経済全体がドンドン落ちていって皆真っ青になっていた時期です 美術関係もひどい状態で 画廊が次々と倒産していきました 画家が契約作家となっていたアートポイントも 1992年個展をした後しばらくして力尽きました  

その後は経営者も代わり 銀座三笠会館9Fのアトリエも出て世田谷区に移りました 近くに世田谷神社とか豪徳寺があり 写実的に描くにはとても良い環境でした  

ビクトル・エリゼ監督の映画の影響もあり 現場で徹底的に描き始めていました ただ気持ちのどこかにルネ・マグリットのようなシュールへの憧れもあったようです まだ銀座に居た時にそちらの方向へ行きたいと言っていたこともありました 

この作品はそのような時期に産まれたもので 左の植物は世田谷神社で見ながら描いていました とても珍しい作風の絵です 

実際にはアトリエを出てしばらくの頃ですので どのような心境にあったのか 推し量ることしか出来ません 

 

 

アポロニウス 22.7x15.8 大野廣子 1991

 

冴えわたる大気を通して 染みてきます

ひかりの静かな聞こえぬ鼓動が

研ぎ澄まされたこころの耳に

 

微笑 ほほえみ 僕はこの表情に心酔しています  

崇拝者かもしれません

 

赤子を抱く母親の微笑   

宗教の最も純粋な形の原型

 

恋人の動きを見つめる恋人の微笑 

至高の勇気を生み出す信仰の純粋な部分の原型

 

自然に滲み出る微笑の素晴らしさ 

この世の宝です