- 終末のフール/伊坂 幸太郎
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
この本は短編集なのですが、あるテーマ、数年後に隕石が落ちてきて人類が滅亡する、にそって書かれていました。
その中で、さまざまな人が主人公になっています。
息子を自殺で亡くし、娘ともけんかをしている老夫婦、妊娠が分かった若い夫婦、妹を亡くしその原因を作ったであろうアナウンサーを殺そうとしている兄弟、今でも練習を続けるキックボクサー、などです。
これだけ書くと、なんと悲惨な暗い物語だろうと思うかもしれませんが、そこは伊坂さんでなんとも明るく、読み終わるとすがすがしい気分になります。
またこの本は、ただの小説ではなく、生きるということをなにか考えさせられるような本でした。
例えば、前述のキックボクサーとある饒舌さが売りの女優との対談シーンがあります。
女優「明日死ぬって言われたらどうする」
ボクサー「変わりませんよ」
女「変わらないってどうすんの?」
ボ「ぼくに出来るのはローキックと左フックしかないですから」
女「それって練習の話でしょ、明日死ぬのにそんなことするわけ」
ボ「明日死ぬとしたら生き方が変わるんですか」
ボ「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか」
安易ながら、この人のようになりたいと思ってしまいました。
他にもこのような記述があり、そのたびに深く共感してしまいました。
そもそも本というのは、自分の信念というか考えを共感するために読むものだと思います。
共感できるから面白い。共感できないものはつまらないから読まない。
この本は、私の考えととてもマッチしていたので、面白かったと感じました。
おすすめ度★★★★★