司と会えなくなって、私は龍に何度も問いかけた。





私「なんで司と会えないのはてなマーク




龍「………」





龍は何も答えてくれない。





私「マリさんに手を出したって…本当なのはてなマーク





龍「…出してないよ。何もしてない」





私「司から聞いたよ」





龍「してないよビックリマークあいつが勘違いしてるんだ!!





いくら聞いてもほとんどこんな会話だった。




龍の口からは司から聞いたことなど一つも出ない。




それどころか龍はとんでもないことを言い出したのだ。






龍「あいつは勘違いしてるんだよ。あいつは女ができて変わった。」




「マリも駄目だ。あいつは何人とも浮気してる。」




「俺はあいつ(司)を何度も説得したよ。マリに騙されるなって」




「きっとマリが襲われたって嘘をついたんだ。」


「とにかく俺は何もしていないビックリマーク信じろよ!!





もぅ何が真実だか分からなかった。





司は嘘をつく人じゃない。でもそう思いたいだけ…?




龍は嘘つきだ。でもどこまでが嘘…?






私は詮索をやめた。




これ以上龍と話しても意味がない。




とにかく司にはもぅ会えない。




その事実だけは確かだった。





司が家を出て行ってから、龍もすぐにその家を出た。




ホストの仕事もいつの間にか辞めていた。






しばらくフラフラと過ごし、たまに私の下校時間に以前のように迎えに来たりする。



相変わらず私が学校の間に何をしているのかは分からない。




聞いても適当に言いくるめられて終わりだろう。



ただ以前と違ったのは、司がいなくなって元気を失った龍は平日も休日もほとんど私と一緒で、必要以上に私にベッタリとくっついた。


ペタしてね

私「どういうこと…?」






一瞬で頭の中がぐちゃぐちゃになった。








だって龍はこの前かすみさんと…




それだってちゃんと謝ってくれたし…




マリさんは司の彼女で…




司は龍の親友…




その彼女さんに手を出したってこと…??










変な汗が出る。体温が引いていくのが分かった。




私「ごめんなさいっっ!!


私はとっさに謝っていた。


司「なんで…ハルが謝るのはてなマーク


司の声はすごく悲しかった。






きっと龍は浮気を突き詰められても素直に謝らない。


マリが寂しそうで…とか理由をつけて人のせいにするに決まっているしょぼん




かすみとの浮気もかすみが…と言ってはいたが、元彼女(しかも振ったばかり)と二人きりの空間にいること自体おかしい。


かすみはまだ龍に気があることを誰もが分かっているのだから、きっと龍には下心があったのだろうダウン


それをあたかも全てかすみのせいだとばかりに告白してきた龍だ。

マリとの浮気もきっと自分はするつもりじゃなかった…と言うに違いないむかっ




もちろんそのかすみとの浮気も龍からだと後々分かるのだが…ダウン



私「龍が全部悪いから…。それは分かるから。」




私が考えていることくらい司には分かっている。


ずっと龍と一緒にいた人だ。龍がどういう人で、何をするかなんて分かり切っているはずだ。






司「マリの首にキスマークがあった。俺じゃない。しかもその日、俺に嘘をついてマリは出かけていたんだ。龍とな」



思い出してみると、龍はその日仕事が休みだったが、用事があると言って会ってはくれなかった。



司「俺も出かけてさ、戻ってきたら龍とマリが…同じ布団で寝てるんだよ。おかしいよな…」






もう完全に黒じゃないか…。




私も司も黙るしかなかった。


龍の浮気癖は聞いていたし知っていたが、まさか自分の親友である司の彼女にも手を出すなんて…。



私が学校に行っている間や、龍の休日で時々会えない日に何をしているのか分かったような気がした。





私「司、大丈夫はてなマーク


浮気が初めてじゃない分、私は変に落ち着いている汗


司は大きなため息DASH!をついてから私を見た。


司「いや、お前はどうなんだよ。まだ龍と一緒にいるのかはてなマークこれだけ裏切られてるのに…ビックリマーク



少し声を荒げている。




私「…うん、ごめんね。分かっていたし、それでも好きになった人なの」






別れようとか距離を置こうとか、当時の私はこれっぽっちも考えていなかった。


不幸な状況に酔う気もない。


私は龍を望んだし、恋人ということ以外に、私を救ってくれた恩人ということに囚われてしまっていた。






司「…なんでだよ。なんでお前なんだ…」




司は小さくそう言うと私から目を逸らして項垂れてしまった。




司の心配は痛いくらい感じる。


きっと言うか言わないかも悩んだと思う。


言って私が龍から離れることを望んでいたのもあると思う。




でも私は龍の傍にいたいと望んでしまった。






司「お前…必ず泣かされるよ。龍に…絶対」




私「うん」






……。






またしばらく黙ってしまったが、次に口を開いたのは司だった。


だがもぅ龍の話ではなく別の明るい話題を提供してくれた。


優しい司。この時ばかりは「なんで司を好きにならなかったのだろう」と思ったが、司に伝えてみたところ困ったように笑われてしまった。






そのうちに夜が明け、周りが明るくなった頃、私達は最初の重い雰囲気なんてなかったかのように笑っていた。




司「じゃぁ、そろそろ帰るわ」


私「うん、じゃぁ気をつけてにゃ来てくれてありがとう音譜




窓の下から司が離れて行く。




私「司!!




少し大きな声で呼び止めた。




私「マリさん…大切にしてあげてねビックリマーク






どうしてそんなことを叫んだのか分からないが、つい口に出た。


でも本心だった。




司には幸せでいてほしい。


私のことを大切にしてくれる司だから。




司は振り返ると、満面の笑みで私にサイングッド!を向けて帰って行った。








それが、司に会う最後の日だった。



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