北海道・旭川市でFM番組(*)のパーソナリティをつとめるアサリ(浅利豪)と、経営学者のコーキ(佐藤耕紀)によるクラシック音楽談義。2人は高校の同期で、かれこれ40年のつきあい。

*  FMりべーる「クラシックにくびったけ」

https://fm837.com/program/classic-ni-kubittake/

https://clatake837.amebaownd.com/

*  経営学者佐藤耕紀のブログ

https://management-study.hatenablog.com/

 

コーキ  シャイー(Riccardo Chailly、1953年~)指揮のコンセルトヘボウ管弦楽団(1993年、シャイ^が40歳になる年)も、なかなかいいと思う。

しっとりと美しく、上品で洗練されている。

シャイーは私の好きな指揮者で、オケの鳴らし方が、いぶし銀のように渋い。

懐が深く、響きが柔らかい。

コンセルトヘボウ管の実力も申し分なく、録音もすばらしい。

完成度の高い、ロマンティックな演奏。

ヴァイオリン・ソロはコンマスのズヴェーデン(Jaap van Zweden、1960年~)。

 

アサリ シャイーはの響きは明るいのだけれど、時としてその響きが軽薄に感じることもあるんだよね。そうそう、ヴァイオリン・ソロのズヴェーデンは、指揮者へ転向してなかなかの演奏を残しているね。

 

シャイー指揮、コンセルトヘボウ管弦楽団(1993年)のCD裏ジャケット。

 

コーキ  極上に美しいのが、チョン・ミョンフン(Myung-Whun Chung、1953年~)指揮のパリ・バスティーユ管弦楽団(1992年、ミョンフンが39歳になる年)。

チョン・ミョンフンは韓国の出身で、「チョン」のほうが名字。

彼の姉は、名ヴァイオリニストのチョン・キョンファ(Kyung-Wha Chung、1948年~)。

「パリ・バスティーユ管弦楽団」というのは聴き慣れないけど、もともとは「パリ・オペラ座管弦楽団」として有名なオーケストラ。

19世紀からオペラ・ガルニエ(シャルル・ガルニエが設計し、19世紀に完成したオペラ座)で活動し、1971年にオペラ・コミーク管弦楽団と合併した。

オペラ・ガルニエは、ミュージカル「オペラ座の怪人」の舞台としても有名。

1990年のバスティーユ・オペラの開場とともに、オーケストラの名前も変わったのかな。

オペラ・ガルニエには行ったことがあるけど、ため息の出るような美しい建築。

新しいバスティーユ・オペラは、クールな現代建築。

演奏は、オケの音色がとても魅力的。

繊細で緻密、優雅でしなやかなアンサンブル。

フランスらしい音色といえば、かつてのパリ音楽院管弦楽団やオペラ・コミークが思い浮かぶけど、現存で最もフランスの薫りがするのは、このオケだと思う。

ヴァイオリン・ソロはコンマスのラロク(Frederic Laroque、1964~)

 

アサリ チョンは韓国を代表する世界的な指揮者だね。

来日も多いし、そのうち生で聴きたいな。

オペラ・バスティーユは、パリ・オペラ座の公演会場のひとつで、ミッテラン大統領の尽力で建てられた。

その初代音楽監督に抜擢されたのがチョンだけど、卓越した実績にもかかわらず、政治的な理由から5年で解任されてしまった。

この「シェエラザード」もそうだけど、彼が在任中に録音したベルリオーズの幻想交響曲、メシアンのトゥーランガリア交響曲、ビゼーの管弦楽曲集やオペラなどは、どれも本当にすばらしいよ。

 

チョン・ミョンフン指揮、パリ・バスティーユ管弦楽団(1992年)のCD裏ジャケット。