北海道・旭川市でFM番組(*)のパーソナリティをつとめるアサリ(浅利豪)と、経営学者のコーキ(佐藤耕紀)によるクラシック音楽談義。2人は高校の同期で、かれこれ40年のつきあい。

*  FMりべーる「クラシックにくびったけ」

https://fm837.com/program/classic-ni-kubittake/

https://clatake837.amebaownd.com/

*  経営学者佐藤耕紀のブログ

https://management-study.hatenablog.com/

 

コーキ  プレヴィン(Andre Previn、1929~2019年)指揮のウィーン・フィル(1981年、プレヴィンが52歳になる年)は、自然体で上品な演奏。

NHK交響楽団でゲスト・コンマスをつとめるなど、日本でもおなじみのキュッヒル(Rainer Kuchl、1950年~)が、情感ゆたかにソロを奏でる。

ウィーン・フィルの技量にも、味わい深い音楽にも、文句のつけようがない。

標準的な名盤と言えるんじゃないかな。

 

アサリ モントゥーやアンセルメと同じように、プレヴィンもこういう曲を得意としているね。

独奏のキュッヒルは、弱冠20歳でウィーン・フィルのコンサートマスターに就任した逸材。

この「シェエラザード」は、彼が31歳になる年の録音。

キュッヒルは奥様が日本人ということもあり、最近は日本にいることが多いのかな。

最近はPMF(Pacific Music Festival、指揮者バーンスタインが札幌で始めた国際教育音楽祭)で指導や協演をしたり、札幌交響楽団のゲスト・コンマスを務めたり、北海道でも活躍している。

 

プレヴィン指揮、ウィーン・フィル(1981年)のCD裏ジャケット。

 

コーキ  マゼール(Lorin Maazel、1930~2014年)指揮のクリーヴランド管弦楽団(1977年、マゼールが47歳になる年)も、私はおすすめ。

マゼールは、8歳でニューヨーク・フィルを指揮してデビューを飾ったという天才肌。

「シェエラザード」はベルリン・フィルとの録音が有名だけど、私はこのクリーヴランド盤が好き。

マゼールは現代的な表現をする指揮者で、演奏にメリハリがあり、打楽器のインパクトが強いイメージがある。

この演奏では情感や味わいも豊かで、オケの音色も美しい。

ヴァイオリン・ソロはコンマスのマジェスケ(Daniel Majeske、1932~1993年)。

 

アサリ 私は、マゼールならベルリン・フィルとの演奏がいいな。

私が基準にするロストロポーヴィチとは対極のような演奏だけど。

カラヤンの後継者と目されていたマゼールがベルリン・フィルを指揮した80年代の録音は、ブルックナーの交響曲や、ドヴォルザークの「スラヴ舞曲」など、すばらしい演奏が多いね。

 

マゼール指揮、クリーヴランド管弦楽団(1977年)のCDジャケット。