$Ms.Violinistのひとりごと-アルチザン吊してあるVN

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ヴァイオリンという楽器は、
その殆どが木材から出来ています。

あの女性のしなやかな体に喩えられる胴体は、
表板と裏板、そして側面をぐるりと囲む
側板から出来ています。

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表板も裏板も木材の種類こそ違いますが、
まな板ほどもある分厚い木から、職人さんが
ノミとカンナで削り出していくのです。

その様子からは、『ヴァイオリンの魂』を
木の中から見つけ出し、命ある形として
まるで赤ちゃんを取り上げるかのような
印象を受けます。

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ヴァイオリンが、300年もの生命を持つ理由。

それは、大地から高々と育っていた
樹木の生命と引き替えに、
ヴァイオリンをいう"新たな命"を取り上げる。
そこにこそ、あるのではないでしょうか。

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多くのモノを切り剥がし、削り取り、
そして擦り出して、一つの意味ある形となす。

そこには引き算の手順を感じます。
でも、"命"は決してゼロには近づかない。
むしろ以前よりも大きくなっている。

それこそが、『ヴァイオリンの魂』なのです。


今日も、よい一日になりますように。
(ende.)

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The Architect of Sound
A short documentary about master violin maker
David Gusset of Eugene, Oregon.
He's the only American luthier to ever win Cremona,
Italy's triennial Antonio Stradivari competition,
sometimes called the Olympics of instrument making.



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