(2011年(平成23年)1月22日(日)：毎日新聞(朝刊))
*
7月24日の地上デジタル放送(地デジ)への
完全移行まで残り半年となるのを前に、
総務省は1月21日、電波受信環境対策の進捗状況を
発表した。
*
ビル陰の受信障害など地デジ未対応の世帯は
昨年12月末時点で200万～250万世帯
(全国約5,000万世帯の約４～５％)と推計。
昨年9月末の推計約750万世帯
(地デジ対応受信機未購入を含む)からは大幅に
減少したが、完全移行後にテレビが見られない
「地デジ難民」を生まないようにするため、
総務省はさらに対策を強化する方針だ。
*
総務省によると、昨年都市部のビル陰などで
受信障害がある地域の対応率は昨年12月末時点で
89％と9月末の74％から上昇。
地デジ対応のアンテナ整備などが進んだためで、
7月の地デジ完全移行までに整備計画がある世帯を含めると
98％まで対応のめどが立ったとした。
また、マンションやアパートなどの集合住宅は96％で
共同受信施設の地デジ対応が終わった。
山間部などの難視聴地域では85％で受信施設の整備が
進み、残る15％も整備計画があるという。
*
未対応世帯は高齢者や低所得層が中心と見られ、
総務省は簡易チューナーの無償配布を強化するとともに、
完全移行直前の6月からは全国1,000カ所での相談窓口設置や、
高齢者世帯への戸別訪問などを実施する方針。
片山善博総務相は21日の閣議後会見で
「(完全移行の)期限の延期は毛頭考えていない」と述べた。
*
政権を跨いでなお、完全に総務省主導で行われた
地上デジタル放送への完全移行ですね。
アナログTVの上下の黒い帯にしつこく流されるお知らせテロップ。
でも、民放局ではCMの間は、テロップが流れていないみたい。
あなたは気づかれましたか？
私は「地デジ難民」という言葉が、どうにもしっくりいきません。
本来の「難民」という意味に対して、「地デジ」は相応しくない。
宗教問題や地域紛争で、世界にはたくさんの「難民」がいて、
社会的弱者の子ども達がいつでも最大の被害者で苦しんでいる。
それを想像できれば、「地デジ難民」なんていう言葉の使い方は
出来ないと思います。想像力の欠如ではないのだろうか。
あなたは「地デジ難民」という言葉を使われたことがおありですか。
(ende.)
