
(2011年(平成23年)1月4日(水):毎日新聞(朝刊))
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昨年11月末に行われた大統領選決選投票の結果を巡る
西アフリカ・コートジボワールの政情不安が、世界的な
チョコレートの価格高騰につながりかねないと懸念され始めている。
同国はチョコレートの原料となるカカオ豆の世界最大の生産地。
政情不安が早期に収拾する見通しはついておらず、
生産農家や輸出業者への悪影響は免れない状況となっており、
カカオ豆の国際価格は上昇を始めている。
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同国からの報道によると、政情不安を受けた検問の増加などで
輸送コストが上がり、最大都市アビジャンでカカオ豆関連業者の
多くが一時閉店に追い込まれた。アビジャンなどでは両陣営の
大規模な衝突事件が起きており、すでに200人近くが死亡。
輸出港での積み出しも滞っているという。
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同国のカカオ豆生産量は世界全体の4割弱。
10月から3月が収穫期だが、大統領選第1回投票(10月3日)後の
昨年11月の総輸出量は前年比16%減の約10万2,000トンだった。
2月の輸出量も落ち込みが予想されている。
今回の政情不安がカカオ農家の作業に悪影響を及ぼした場合、
数年後のカカオ生産が大打撃を受ける可能性もあるという。
カカオ輸出は同国の年間総輸出額の約2割を占めており、
同国経済への影響も不安視されている。
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主に西アフリカ産のカカオ豆価格を決めるロンドン市場では、
大統領選決選投票後の約1カ月で10%以上もカカオ豆の価格が
上昇した。政情混乱が続けば、さらに価格が上がる可能性が
高いとみられている。既に一部のメーカーは、チョコの大きさを
小さくするなどの対応策を取り始めているという。
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同国は2002~03年の内戦の結果、ワタラ元首相を支持する
反政府組織新勢力(NF)が支配する北部とバグボ大統領側の南部に
分断された。
大統領選決選投票では、選管がワタラ氏当選を発表。
国際社会もワタラ氏を支持したが、バグボ大統領は退陣を拒否。
先月4日に双方が就任宣誓を行う事態となっている。
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2月14日のヴァレンタインデーにチョコを贈る習慣(?)の日本。
日本の大手メーカーはコートジボワールのお隣のガーナのものを
主力に輸入しているので、すぐ影響はないようです。
でも、アメリカとドイツはこの国に頼っているので深刻かも。
じつはチョコレートの世界一の輸出国は、ドイツなのですよね。
でも、イメージ戦略に長けたお隣のベルギーに負けて、
全然目立たない存在のドイツ。
ベルギーの"Godiva"(ゴディバ)やスイスの"Nestle"(ネスレ)は、
日本でもすっごくメジャーで誰でも知ってるのに、
"MILKA"(ミルカ)も"Ritter Sport"(リッタースポーツ)、
それから"GEPA"(ゲパ)も、皆さまご存じないですよね。。
「頑張れドイツ! 私の第二の故郷!!」(笑)
(ende.)
