Ms.Violinistのひとりごと-大阪フィル新春名曲コンサート 2010
(2011年(平成23年)1月5日(水):毎日新聞(朝刊))
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関西のプロオーケストラは今年、大きな転換を迎える。
今年度で大阪府の補助金が打ち切られ民営化する
大阪センチュリー交響楽団は、4月に名前を
「日本センチュリー交響楽団」に変えて再出発する。
既に先月、内閣府に公益財団法人認可を申請した。
現在は事務局にスポンサーや寄付の獲得、新規事業を
推進するプロジェクトチームを設置し、人件費のスリム化に
向けた交渉も今後本格化する。

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定期演奏会は従来通り年10回だが、
チケット収入増を目指す新戦略としてNHK大阪ホールで
「センチュリー四季コンサート」(年4回)を始める。
休日の昼間に、小泉和裕音楽監督の指揮でフレッシュな
ソリストを迎える名曲中心のコンサー卜だ。
小泉監督は「厳しい状況になると思っているが、
これまで大阪の中でやらなくてはならなかった足かせも
なくなるので、いろいろな地域に飛び出して演奏会を
増やしたい」と語り、初めて三重、福井、神戸で
演奏会を開く。
オーケストラを持たない地域のホールと提携したり、
本社所在地が関西以外の企業からも支援を得たいという
狙いでの活動拡大だが、新企画の演奏会の成功が今後の
楽団経営のカギを握る。

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大阪フィルハーモニー交響楽団は、故朝比奈隆の後継として
2003年にポストに就いた大植英次音楽監督の最終シーズンが
4月から始まる。
大植の指揮による年間企画「チャイコフスキーセレクション」
ほか、大植プロデュースで人気を得た「大阪クラシック」で、
どんなラストスパートを見せるのか。

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今月、新人事体制がスタートしたのは
関西フィルハーモニー管弦楽団。
ヴァイオリンのオーギュスタン・デュメイが音楽監督に就任、
デュメイの盟友でピアノの巨匠マリア・ジョアン・ピリスを
迎える4月の記念演奏会は注目必至。

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今春、指揮者と2期目に入る楽団は2つ。
京都市交響楽団は、1期3年間で演奏力と動員数アップに貢献した
広上淳一常任指揮者の契約を更新、4年目の飛躍を目指す。
大阪交響楽団も児玉宏音楽監督と5年契約の2期目に。

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話題は5月、兵庫県立芸術文化センター芸術監督の佐渡裕が
ベルリン・フィルの定期演奏会に初登場すること。
十八番のショスタコーヴィチの交響曲第5番と武満徹で
大勝負に挑む。
世界最高水準の舞台でどんな評価を得られるのか注目だ。
(ende.)

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Special Thanks:Ms.Violinist.
 The author is "Ms.Composer."
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