
(2010年(平成22年)12月15日(水):毎日新聞(朝刊))
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生活協同組合「コープこうべ」(兵庫県神戸市東灘区)は
来年1月から、高齢者や単身世帯の組合員を想定した
夕食の宅配サービスを開始する。
同様のサービスを提供する企業は他にもあるが、
コープこうべの場合、主に配達先の近所に住む組合員が
夕食を届けにあがるのが特徴。
高齢者の「孤独死」など地域コミユニティの崩壊が
全国各地で問題化する中、組合員同士のつながりから
地域の再生までも図ろうという試みだ。
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宅配する夕食は「おかずのみ6品」「おかず5品とごはん」
の2パターン。調理済みの弁当を繰り返し利用可能な容器で
週5日間、配達する。献立は管理栄養士が監修し、
コープこうべが品質や安全性を確認した食材を利用。
65歳以上で、1人暮らしや夫婦のみの組合員が利用するケースが
多いとみている。
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配送を担当する組合員は「個人事業主」扱いとなり、
近所の1日30~50件を担当。
ただ配るだけではなく、「元気ですか」「今日はいい天気ですね」
などと会話をしながら、利用者の現況を確認するなど
「ただ配るだけではなく、お互いの心の交流を持てるような関係」
も目指すという。
コープこうべによると、高齢者の組合員などから
「宅配サービスを実施してほしい」という要望が多かったことから、
今回の事業化に踏み切った。来年1月からは試行期間で、
本格実施は4月以降。
当初は組合員の多い西宮市周辺でのサービスで、いずれは県内の
他の地域にも広めていく方針だ。
夕食のみならず、昼食の宅配なども検討するという。
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県内の65歳以上の人口は約111万人(2005年国勢調査)で、
コープこうべの組合員142万人のうち、65歳以上は1/3近い46万人と
なっている。2015年度末には1日1万食の宅配を目指しており、
コープこうべは「コープが保証する食事を組合員が配ることで、
単なる宅配サービスとは異なるあり方を目指したい」と話す。
おかずのみ6品が598円、おかず5品とごはんが548円(税込)。
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高齢化社会への無理のない試み。
国だけでなく、地域に住む私たちにも出来ることがある。
ご近所同士の「お元気ですか」の声掛けは簡単なことだね。
(ende.)
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Special Thanks:Ms.Violinist.
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