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人間の愛の日に変えてしまった日本のクリスマスも
どこかに神聖な雰囲気は残している。それは光。
私たちは光の中に、水平に流れるのではなく
垂直に昇る音楽を聴きとるようだ。
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フランスの現代作曲家、オリヴィエ・メシアンの音楽は
そのようなものだろう。時間が止まり、天空からは光が、
空からは鳥のさえずりが舞い落ちてくる。
メシアンは決してむずかしい音楽ではないのだ。
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「アーメンの幻影」。
アーメンという言葉の持つ意味を創造からイエスの苦悩、
審判、そして成就といった時間系列に沿って7つの小曲に分け
音楽化したもので、長短調、多調、無調、モダニズムなどの
様々な音使いが聴こえ、多様な色彩を放つ。
光と音との交差、照応。極めて難しい演奏技術が求められる、
2台のビアノによるこの世界を曲中に聴こえる。
メシアンの世界観である。
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「世の終わりのための四重奏曲」。
メシアンがドイツの捕虜収容所で書いた曲。
「世の終わり」とは永遠の始まりなのだそうだが、
「アーメン」のほうが神への熱烈な希求だとしたら、
同じ希求でもこちらのほうは戦争を背景にした平和や
平安な生活への祈りが潜んでいるよう。
ユニゾンや独奏が多いのもそのためなのだろう。
クラリネット(第3曲)、ビアノの支えによるチェロ(第5曲)、
ヴァイオリン(終曲)などの独奏は控えめな筆致ゆえに
深い苦悩と祈りを心に残す。
(ende.)
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Special Thanks:Ms.Violinist.
The author is "Ms.Composer."
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