(2010年(平成22年)12月15日(水):毎日新聞(朝刊))
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佐藤多佳子さんの「音楽と学校」シリーズ最新作、
「聖夜」(文芸春秋・1,450円)はミッション系大学に
付属する高等部が舞台だ。

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オルガン部に所属する18歳の一哉は、
フランスの現代音楽家、メシアンの『主の降誕』から
「神はわれらのうちに」を演奏会で弾きたいと宣言して、
コーチと仲間を驚かせた。

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「メシアンを知る人なら、高校生がよくまあ難しい曲を、
と思うでしょうし、知らない人ならどんな音楽か
聴きたくなるんではないですか」
といって、編集を担当した大嶋由美子さん(40)が
手元のスマートフォンでさわりの部分を聞かせてくれた。

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メシアンを選んだ理由は、家を出てしまった母親と関わっていた。
朝帰りした孫を前に、祖母が牧師である息子を
「かわいそうな子だよ」と気づかう場面がある。
「そこを読むたびに胸がいっぱいになってしまって」と大嶋さん。
不器用な家族にどんな聖夜が待っているのだろうか。
(ende.)

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Special Thanks:Ms.Violinist.
 The author is "Ms.Composer."
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